転職者の実力を暴く面接 「例えば」と重ねて問う理由ミドル世代専門の転職コンサルタント 黒田真行

コンピテンシー面接のキモは「行動事実」

では、経営者や人事部長などとの面接で、採用する側は、候補者の何を見ているのでしょうか?

最も重要な観点が、「コンピテンシー」だといわれています。ちなみにコンピテンシーとは、「ある成果を生み出すために、現在の環境下において、自分の持つ能力的な資源(知識、スキル、経験など)を、どのような工夫を加えながら活用することが最も効果的かを考え、それを実行することができる力」と定義されています。

特に重視されているのは、以下の2点です。

・単に知識を多く持っているだけでなく、それを確実に行動化していること。
・そして、その行動化においては、今生み出すべき成果を最も効果的に創出できるための工夫があること。

ある領域でベテランとして活躍する人が多い中高年は、ややもすると「今持っている知識の豊富さ」をアピールすることが最高のプロモーションだという勘違いをしがちです。しかし、企業が求めているのは、知識や経験の豊富さよりも、それらを成果創出に向けて効果的に活用できる力、コンピテンシーだということです。

また、このコンピテンシーには5つのレベルがあります。レベルの高いコンピテンシーを発揮できる人ほど、成果を生みやすい特徴があります。

低位レベル(レベル1~3)と高位レベル(レベル4、5)には、「成果創出を阻害するような困難な状況に置かれたとき、そこで行動が止まるのか止まらないのか」という違いがあります。低位レベルの場合、困難な状況になったとき、「この状況ではここまでしかできない」と考えて行動が止まります。しかし、高位レベルであれば、困難な状況を打ち破る方法を模索し、工夫し、何とか形になるまでもがこうとします。

しかし時代はすでに変革期にあり、勝敗が予測できないような難易度の高い業務やプロジェクトも増加しています。どんなに高そうな壁であっても、その壁を打ち破ろうとする意志は必須かもしれません。

コンピテンシーを重視する企業は、たとえば下記のような面接での質問シナリオを活用することが多いようです。

例えば、「あなたの一番の強みは何ですか?」などの質問から始まり、その質問に対して相手が答えてきた内容の中に、「本人が工夫を加えながら発揮した行動事実の事例」が含まれていなかった場合、必ず「例えば?」という形で具体的事実を引き出していくやり方です。「なぜ?」ではなく「例えば?」と聞くことで、徹底的に事実を洗い出していきます。

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強みと行動をエピソードで表現する
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