Men's Fashion

オーダーメードの革靴 国内外歩き回る仕事の良き相棒

リーダーが語る 仕事の装い

タイユヴァン総支配人 アントワーヌ・ペトリュス氏(下)

2019.10.25

フランスの老舗レストラン「タイユヴァン」の総支配人、アントワーヌ・ペトリュス氏はソムリエとサービスマンとしてフランス国家最優秀職人章(MOF)に2度輝くなど実績も華々しい。レストランのグループ店舗がある英国やレバノン、日本と母国とを行き交う日々だからこそ、装いの面でもこだわりがあるようだ。前回に続きペトリュス氏に聞いた。

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■摩耗しないようつま先に金属、毎朝の靴磨きが日課

――タイユヴァンは本拠地のパリ以外にロンドンや東京、ベイルート(レバノン)にも店舗があります。各店を統括する立場で海外出張も多そうですね。

「ロンドンへは週1回、東京へは年2回、ベイルートへは年4回のペースで出張します。フランスに滞在中も、ひと月に2~3回は国内各地のワイン生産者のもとへ通う日々です。国内外をあちこち歩き回るため、靴にはこだわっています。きょう履いているのは、ジェイエムウエストンの靴。1891年創業のフランスのシューズブランドで、オーダーメードで作ってもらいました」

「靴をオーダーすると、出来上がるまで3カ月くらいかかります。つま先の靴底部分に金属をはってもらっているのは、摩耗しないようにです。カスタマイズが可能なのはオーダー靴ならでは。すべてハンドメードのため、少々値は張りますが、しっかり手入れをしていれば、長期間履き続けることができます。そう考えれば、決して高くつくものではないと思っています」

革靴のつま先を金属で補強している

「この靴はもう4年履いています。毎朝の靴磨きも私の日課です。毎日走ることと同様、自分自身のマインドセットになっています。オーダー以外の靴もあるので、持っているのは計十数足です」

――オンはスーツスタイルが基本とお聞きしましたが、オフの装いはいかがですか。

「カジュアルな服はラコステをよく着ています。ワニのマークで知られるフランスのブランドです。何人かのテニスプレーヤーも愛用していました。自国ブランドなので、同じフランス人としてスピリッツを感じます。1933年創業という老舗のブランドながら、時代の変化に合わせて少しずつ変えている点も気に入っています。オフの装いもオンと同様シンプルです」