「甲子園」連覇 強豪・麻布高オセロ部と伝説の顧問麻布中学・高校(上) 教育ジャーナリスト・おおたとしまさ

左側が顧問で元世界チャンピオンの村上健教諭
左側が顧問で元世界チャンピオンの村上健教諭
進学校の強さの秘密を解き明かすこのシリーズ。今回は麻布中学校・高等学校(東京・港)を取り上げる。東京大学合格者数のランキングでは60年以上もベストテンに名を連ね続ける名門校だ。「自由闊達・自主自立」をうたう自由な校風で、クラブ活動も生徒の自主性に委ねられている。なかでも異彩を放つのがオセロ部だ。「強豪」の活動ぶりに教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が迫った。

麻布には、囲碁部、将棋部、オセロ部、チェス部、バックギャモン部と、ボードゲーム系の部活がいろいろある。いずれも全国にその名をとどろかせる強豪だ。

オセロ部は、2017年、2018年の「オセロ甲子園」で優勝。2019年には大阪府代表の連合チームに3連覇を阻まれたが、単独の高校としてはダントツの強さを誇る。

強さの源は、世界チャンピオンに3度輝いたことがあり、日本オセロ連盟での最高段位「九段」をもつ村上健教諭という名物顧問である。しかし、普段の部活で顧問が部員を直接指導することはごくまれ。それが麻布の部活の流儀だ。

東大オセロサークルと合同合宿を行う

部室での活動。正座しているのはむしろ「おふざけ」

放課後にオセロ部の部室をのぞくと、すでに10人ほどの部員がいた。中高合わせて約40人の大所帯だが、放課後の部活に出るかどうかは毎回完全に自由。遅刻も早退もおかまいなしである。

誰が仕切るでもなく、お互いに相手を見つけて対戦する。持ち時間は1人20分。1回の対戦は最長約40分で終わる。試合が終わると、振り返りをする。有段者になると、すべての手を記憶しており、いちから試合を再現できる。

試合を再現しながら、「ここではこういう打ち方があったよね」などと話し合う。これを「検討」とか「感想戦」などという。場合によってはスマホのアプリを用いる。どの局面でどこに石をおくのが有効なのかを数値化してくれる、いわゆる「AI(人工知能)」だ。これが日々の活動の基本形。

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