相続空き家の放置はNG 売却と賃貸、税はどうなる

写真はイメージ=PIXTA
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親が住んでいた家を相続したものの、今後も住むつもりはないという「長期空き家予備軍」を抱える人が増えている。空き家のまま放置すると固定資産税などの維持コストがかかり続ける。売却か賃貸かを考える際は税制についても考慮し、判断材料の一つにしたい。

総務省が5年に1回公表する「住宅・土地統計調査」によると、2018年10月時点の空き家は849万戸、総住宅に占める空き家の割合は13.6%と共に過去最高だった(グラフA)。国土交通省の14年の調査では、空き家を抱えるきっかけとして「相続」が52%を占めた。

3000万円控除、要件が緩和

相続した家に住むつもりがないなら、基本的には「売る」か「貸す」かを選択することになる。税金面で利点が多いのは売却だ。16年4月、一定条件を満たす空き家を売ると、譲渡所得から最高3000万円を特別控除できる特例が導入された(表B)。現時点では23年12月末までに売却すれば特例が適用される。

相続した家を売却した結果、譲渡所得が3000万円以内であれば、この特別控除が適用されれば税金はかからない。当初は親が亡くなる直前まで住んでいた家であることが特例の要件だったが、19年4月から親が老人ホーム(要介護・要支援認定など別の条件もあり)に入居するなどして住んでいなかった家についても、特別控除が使えるようになった。

そのほか(1)1981年5月31日以前に建った家で、マンションなど区分所有物件ではない(2)解体するか耐震リフォームして相続発生から3年後の年末までに売る(3)譲渡価格が1億円以下――などの要件がある。相続した家の売却を考えるなら、まずはこの控除の対象かを確認したい。

相続税を払った人が対象

売却にはもう一つ「取得費加算特例」といわれる仕組みがある。相続した家を一定期間内に売ると、相続税額の一部を取得費に加えて譲渡所得を減らせる。ただし、この仕組みは相続税を納めた人が対象だ。また、3000万円の特別控除とは併用できない。

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