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ふくらはぎを使って歩こう 実は多い脚の静脈の病防ぐ

いつまでも歩けるための健足術(5)

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NIKKEI STYLE

日経ヘルス

自分の足を健康に保つための「健足術」の連載5回目は、脚の血管をテーマに取り上げる。脚の血管の病気は動脈と静脈で異なるが、血管の特徴を踏まえながら、どのように違うのかを解説する。

◇  ◇  ◇

足を専門的・総合的に診察する下北沢病院。その副院長である長崎和仁さんは、血管外科医として、「脚の血管」の病気を診ている。

「心臓や脳では、血管の病気といえば、動脈が中心です。しかし、脚の血管では、動脈だけでなく静脈の病気も多く、それぞれの血管の"特徴"に基づく病気が起こります」と、長崎さんは語る。

動脈も静脈も「詰まる」、しかし原因が異なる

その"特徴"はこうだ。まず、心臓から送り出された血液を体のすみずみまで送り届ける「動脈」。血液の強い圧に耐えられるよう、壁は厚くなっており、流れる血液は栄養たっぷりだ。

そのため、「壁に粥腫(じゅくしゅ)という脂質などが固まった塊ができやすい。動脈硬化の一つで、これが脚の血管で起こるのが、『下肢閉塞性動脈硬化症(かしへいそくせいどうみゃくこうかしょう)』。圧倒的に男性に多い病気です」(長崎さん)。

逆に、血液を心臓に戻す役割がある「静脈」はどうだろうか。静脈内の血圧は、動脈よりはるかに低いため、壁は薄く柔らかい。その一方で、内側に血液の逆流を防ぐ、ハの字形の「静脈弁」がついている。

「この弁が壊れて、血液が一部にたまって、瘤(こぶ)のようになるのが『下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)』。静脈の壁が柔らかいからこそ、血液がたまり、瘤になるのでしょう」(長崎さん)

動脈では心臓のポンプ作用で血液が送られるが、静脈で心臓の代わりをしているのが脚の筋肉。脚を動かすことによる筋肉のポンプ作用で、静脈の血液が押し上げられる。このことは知っている人も多いだろう。

だが、長時間座ったままだと、そのポンプ作用が起こらない。そのため、静脈内で血液が停滞し、血液が固まり、血栓ができてしまう。これを「深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)」という。

出産した人の半数で下肢静脈瘤

では、静脈の病気から詳しく聞いていこう。

長崎さんは、強調する。「下肢静脈瘤は、実は非常に多くの人に起きています。古い調査ですが、30~49歳の55%、50~69歳で61%の人に静脈瘤があったという報告があります。また、出産経験のある女性の2人に1人、つまり約半数で起きているという調査結果もあります」

先ほども触れたように、静脈のポンプの役割を果たす脚の筋肉は伸縮することで、血液を心臓の方へと押し上げている。

「しかし、座りっぱなしや立ちっぱなしの仕事をしていたり、運動不足だったりすると、血液がなかなか押し上げられない。そのため、だんだん血管にたまってきて、静脈が腫れあがってしまいます。その結果、静脈弁が壊れてしまい、血液が逆流。さらに、静脈の壁が引き伸ばされて、見た目にも血管の拡張が目立つようになります。これが『下肢静脈瘤』のできるプロセスです」(長崎さん)

下肢静脈瘤には、段階があり、くもの巣状のもやもやした血管が見えた状態が最も軽度だが、ひどくなっても、脚のだるさやむくみ、重だるさなので、気づきにくいという。

一方、「静脈が停滞したために、血栓ができ、詰まってしまう『深部静脈血栓症』は、長時間同じ姿勢でいたり、手術後など足の運動を行わない状態が続いたりすると起こります。そして歩き始めたとき、その血栓が血液の流れにのって肺動脈に運ばれ塞いでしまう『肺塞栓症(はいそくせんしょう)』という病気になることも。重症の場合は死に至ることもあります」と長崎さん。

静脈の場合、どちらも「同じ姿勢で脚を動かさない」ことが問題だ。だから、脚の静脈の病気を防ぐには、静脈の血液が心臓に向かってきちんと流れるよう、常に意識すること。ふくらはぎはなるべく意識して動かすことが一番だ。

「そのためには普段の歩き方にも気を配ることが大切です。ふくらはぎを十分動かすためには、後方荷重(こうほうかじゅう)で歩かない。肥満体形の方に多いのですが、どすんどすんという感じの後方荷重の歩き方は"ふくらはぎを全然使えていない歩き方"なのです。歩くときはちゃんとかかとを上げ、親指で地面を蹴りだすこと。また少し歩幅を大きく歩くことや、なるべく階段を使うようにすることも、ふくらはぎをよく動かすことにつながります」(長崎さん)

次回は、歩き方以外のセルフケア、脚の動脈硬化を防ぐ生活習慣、検査法を紹介する。

長崎和仁さん
 下北沢病院(東京都世田谷区)副院長。慶應義塾大学医学部卒業。国内の病院に勤務後、スタンフォード大学外科フェローとして渡米。帰国後、浜松日本赤十字病院外科部長・創傷ケアセンター勤務、さいたま市立病院血管外科医長を経て現職。日本血管外科学会血管内治療認定医。

(ライター:赤根千鶴子、構成:日経ヘルス 白澤淳子)

[日経ヘルス2019年8月号の記事を再構成]

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