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「400のプロジェクトを同時に進める」ためのスキルを解説している

「400のプロジェクトを同時に進める」ためのスキルを解説している

「時間をかければかけるほど、良いアイデアが生まれる」。一見、当たり前のようだが、一流のデザイナーの見方は違う。良い発想は寿司(すし)と同じで、すぐ実行しなければ傷んでしまうと考える。今回紹介する『スピード仕事術』は、世界中からオファーの絶えないスゴ腕デザイナーによる指南書だ。「仕事の質はスピードで決まる」と言い切る著者は、現実に大量の仕事をどうこなしているのか。その秘訣を是非とも仕事のパフォーマンスアップの参考にしていただきたい。

◇  ◇  ◇

著者の佐藤オオキ氏はデザイン・オフィス「nendo」の代表を務めています。東京とミラノに拠点を持ち、建築、インテリア、プロダクト、グラフィックなど幅広い分野を手がけています。国際的に高い評価を受けるデザイナーで、2006年には「ニューズウイーク」誌の「世界が尊敬する日本人100人」に選出されました。12年にデザイン界のアカデミー賞と言われる「エル・デコ インターナショナル デザイン アワード」の「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。

「早いと質が上がる」のはなぜか

佐藤オオキ氏

佐藤オオキ氏

佐藤氏は1977年のカナダ生まれで、2000年に早稲田大学理工学部建築学科を卒業しました。同大学大学院を修了した02年に大学の仲間6人で「nendo」立ち上げます。本書の副題に「400のプロジェクトを同時に進める」とあるように、佐藤氏は常に、世界中から数多くの仕事を受注しています。そのような状況でも質の高い成果を出し続けられる理由の一つが「仕事のスピード」にあるといいます。

著者はまず「仕事のスピード」について定義します。それは「スケッチを描くのが他の人の2倍速い」というような処理速度を意味しません。「いろいろなことを並行して考えたり進めたりできるような工夫や環境づくり」をすることで、同じ時間でより多くの密度の濃い成果を出すことなのです。

 速度感を意識すれば、多数のプロジェクトのそれぞれの業務のうち、優先して処理すべきものが何なのかが明確になります。仕事のスピードを上げるには、まずこれが重要。優先順位をしっかりつけておけば、一つの仕事を処理した段階でモタモタすることなく、すぐに次の仕事に取りかかれるのです。
(PART1 "超"高速で仕事をこなすための基本動作 19ページ)

仕事のパフォーマンスを上げるノウハウは、いろいろあります。著者は短いフレーズで次々とわかりやすく解説していきます。達人のキャッチフレーズをいくつか紹介しましょう。

すきま時間には完結できる仕事をやる/脳にはよけいな負担をかけない/仕事で着る服は2週間分をセット/間違えてもいいから、判断は早く/「10年後にやりたい仕事」は今すぐやる……

いかがですか。こうしたフレーズを眺めるだけで「どんな仕事もサクサク仕事を進められる」という気持ちになりそうです。

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