三浦瑠麗さんの心を元気にする 少女時代を思い出す本心が元気になる本&マンガ(5) 三浦瑠麗(国際政治学者)

Q. 仕事以外の本はいつ読む?
A. 週末に軽井沢の別荘で。文章が好きな本を、繰り返し

■他者を攻撃するのではなく 誰でも共感できる女性論を

赤毛のアンよりもパットに救われる女性は多いはず

「引っ込み思案だった少女時代に私を還(かえ)してくれる本」と国際政治学者の三浦瑠麗さんが説明するのが、モンゴメリの『銀の森のパット』だ。

「同じモンゴメリの『赤毛のアン』が愛されたい女の子を描いたのに対し、パットは愛したい女の子。愛したくても相手が応えてくれない、愛するものが変わってしまう……。思いや情熱を十分に受け止めてもらえないあてどなさを抱えた人には、救いになるはずです。私自身も、アンよりパットに近い」

そんな三浦さんが、少女時代のいじめや性被害、長女の死産などを含め、異質という理由ではじき出されてきた半生を描いたのが、自伝『孤独の意味も、女であることの味わいも』だ。

「多くのフェミニズムの本には、他者を寄せつけないところがありますが、この本では読者を引き入れ、共感してもらいたいと思いながら書きました。私が抱えてきた生きづらさを通して、女性であることの意味や、『人間はひとりだよ。しかし、共感可能だよ』ということが伝わってほしいです」

『銀の森のパット』 モンゴメリ著、谷口由美子訳
角川文庫(品切れ、電子書籍あり)/952 円(税別)

■「適応するのが得意ではない。そんな、私に似た人に読んでほしい」

家と家族をこよなく愛し、変化を嫌う少女パットの物語。「続編『パットお嬢さん』では、環境が変わってしまっても変わらないものをパットが見つけます。状況に適応するのが得意でない人には、ぜひともセットで読んでほしいです」

 

 

 

『フェミニスト・ファイト・クラブ』 ジェシカ・ベネット著、岩田佳代子訳
海と月社/1900円(税別)

■「職場の女性差別に悩む人に新世代の戦い方を教えてくれる」

女性の可能性の発揮に必要な思考法や、女性の足を引っ張る構造を知ることで、職場の差別にサバイバルするためのマニュアル。「職場のあるあるエピソードが満載。ただ男性と敵対するだけじゃない、新しい戦い方を知ってほしい」

 

 

 

『孤独の意味も、女であることの味わいも』三浦瑠麗著
新潮社/1300円(税別)

■「かつて性被害に遭った私のような声なき被害者を思って書きました」

三浦さん初の自伝的著作。華やかな経歴の陰の意外な苦悩が描かれる。「性被害の体験についても書きましたが、通常メディアに載るのとは違う“声なき被害者”たちを意識して、文学のように普遍的に共感できるものを書いたつもりです」

 

 

 

 

三浦瑠麗
国際政治学者。1980年生まれ。東京大学農学部卒業後、同大学公共政策大学院および同大学院法学政治学研究科を修了。東京大学政策ビジョンセンター講師を経て山猫総合研究所代表取締役。テレビでも活躍する一方、旺盛な執筆・言論活動を続けている。

取材・文/平林理恵 写真/洞澤佐智子

[日経ウーマン2019年9月号の記事を再構成]

フェミニスト・ファイト・クラブ 「職場の女性差別」サバイバルマニュアル

著者 : ジェシカ・ベネット, Jessica Bennett
出版 : 海と月社
価格 : 2,090円 (税込み)

孤独の意味も、女であることの味わいも

著者 : 三浦 瑠麗
出版 : 新潮社
価格 : 1,300円 (税込み)

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