ポルシェ911カレラ4S いつもの「顔」で最先端追求

2019/10/20
先進運転支援システムの機能拡充など進化したポルシェ911カレラ4S(4WD/8AT)【試乗記】(写真:荒川正幸、撮影協力:河口湖ステラシアター、以下同)
先進運転支援システムの機能拡充など進化したポルシェ911カレラ4S(4WD/8AT)【試乗記】(写真:荒川正幸、撮影協力:河口湖ステラシアター、以下同)
webCG

後輪操舵と軽量ボディー、パワーアップしたフラット6に先進運転支援システムと最新のインフォテインメントシステム。ルックスこそ大きく変わらぬ新型=992だが、進化のメニューは実に多彩だ。日本標準仕様となる右ハンドルモデルで、最新「ポルシェ911」の出来栄えを確かめた。

最新型でも“911らしさ”は健在

ブランド初の量販ピュアEVである「タイカン」がカタログへ加えられ、また新たな1ページが刻まれることになったポルシェのヒストリー。けれども、こうして新時代に向けたブランニューモデルがラインナップに加えられようが、今や多くの利益を生み出すのは「マカン」や「カイエン」という現実があろうが、ポルシェをポルシェたらしめている主役が911であることに、もちろんいささかの疑念もない。

“フライライン”と紹介される極端な後ろ下がりのルーフラインを備えた独特なデザインの猫背型ボディーの最後端に、こちらも水平対向という独特デザインの6気筒エンジンを低く搭載。それゆえのリアヘビーな重量配分がもたらす巨大なトラクション能力や特徴あるハンドリングのテイストを、大変な苦労と長い年月を費やしながらライバル車にはまねのできない“孤高の特色”へと昇華させた911が、今でもブランドの顔としてもてはやされるのは、なるほど当然と言ってもよいことなのかもしれない。

2018年のロサンゼルスモーターショーでデビューした「ポルシェ911」の8代目が、992型。先に高性能版たる「カレラS」と「カレラ4S」が発売された

そんな911は1964年登場の初代以降、昨2018年末に全面刷新された992=最新型で数えて8代目。先に掲げたパッケージングやパワーユニットの特徴が踏襲されているのは、もちろん言うまでもない事柄だ。

その上で、時代の要請を踏まえた先進運転支援システム(ADAS)関連機能の大幅拡充や、911史上ではかつてない大型のディスプレイを用いた完全新デザインのインテリアなどが、主たる見どころ。いうなれば、このあたりがまず、最新911ならではの特徴的なアウトラインということになる。

変わらない印象のエクステリア

一方で、誰がどのようなアングルから目にしても、まごうことなく「911そのもの」と納得のエクステリアのデザインが、相対的に代わり映えが少なく思えてしまうのは、半ば911のモデルチェンジでの宿命ともいえそうな部分である。実際、今度の992型でも「あれ? どこが変わったの?」と、うっかりすればそう指摘されかねないルックスであることは、たとえ生粋の911フリークであってもまずは認めざるを得ないはずの第一印象だ。

何しろ911の場合、新しさを追い求めてその見栄えを大胆に変化させると、たちまち大きなコンプレインの嵐が巻き起こるといった状況は、例えば、一度は異型デザインを採用しながらも、市場からの大きなアレルギー反応を受けて再度シンプルな丸型へと戻さざるを得なくなった、996型でのヘッドライトデザインの変遷を思い起こしても明らかである。

とはいえ、それでもディテールに目をこらせば「992型ならでは」という部分を認めることはもちろん可能で、例えばよりシンプルでありつつもワイドになったように見えるフロントバンパー内の開口部のデザインは、遠目にも「あれ? 何か新しいな」と思わせてくれる新型でのひとつの特徴だ。

「911カレラ4S」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4519×1852×1300mm、ホイールベース=2450mm。992型はRRの「カレラS」でも同寸となる