ポルシェ911カレラ4S いつもの「顔」で最先端追求

2019/10/20
ホイールベース長は先代の991型と変わらないが全長は20mm延ばされ、ボディーのフラッシュサーフェイス化も進んだ。こうした変化はあるものの、代を重ねても「911」に見えるフォルムや存在感から、常緑樹になぞらえ同車は“エバーグリーン”とも称されている

常に時代の最先端を走り続ける存在

こうして、まずは「フィーリング面も含めた動力性能に大感動」だった992型だが、そのフットワークの出来栄えがこちらもハンパではなく高いレベルにあるということも、走り始めてすぐに実感できた。

今回はあくまでも一般公道上でのテストドライブで、残念ながら縦方向にも横方向にも特に高いGを発するような走り方は行えてはいない。

しかし、高速道路上では圧倒的なフラット感を生み出し、ワインディングロードへと差しかかれば、ステアリング操作に対する際立つ正確性と接地感の高さが印象的なそのフットワークのテイストには、まさに「ただ者ではない」という仕上がりレベルが実感できる。ちなみに今回、タイトなコーナーの連続で歴代911の中にあっても屈指の機敏さが味わえたのは、前述のオプション装着されていたリアアクスルステアリングの“逆位相モード”の働きが大いに功を奏していたに違いない。

公表されている欧州複合サイクルの燃費値は約11.1km/リッター。今回の試乗では約590km走行し、参考燃費値は満タン法で9.6km/リッター、車載燃費計で9.0km/リッターとなった。燃料タンク容量は67リッター

ちなみに高価ではあるものの、このオプションが「日本でこそすこぶる効果的」とあらためて実感できたのは、実際にタイトなワインディングロードやUターンが必要な場面などにおいて、内輪差を減少させながら回転半径をコンパクト化してくれるという点にメリットを見いだしたからだ。代を重ねるごとに大型化し、992型では後輪駆動モデルであってもついに“ワイドボディー”へと統一されることになった911。そんな最新のモデルを、日本でのさまざまな日常シーンでより高い利便性とともに扱いたいというのであれば、もはやこのリアアクスルステアリングとフロントのリフトシステムは、「選んで当然のオプション」と言ってもいい時代なのかもしれない。

前後異径シューズの標準採用や世界初をうたう路面感知システムの採用と同時に設定された“ウエットモード”の走行プログラムなど、まだまだ新たな話題に事欠かないのが992型の911。さらに細かく拾い上げていけば、ディファレンシャルユニットの水冷化を筆頭とした駆動系の強化によるカレラ4系での前輪駆動力の増強といったニュースなども、興味深い進化のポイントといえるだろう。

ポルシェ911というモデルが長い歴史を備えつつも、“クラシカルなスポーツカー”にとどまらず常に時代の最先端を走り続けるモデルという評価を獲得し続けるのは、まさにこうしたアップデートの積み重ねによる成果でもあるはず。あらためて、そんなことを教えてくれる最新の911なのである。

(ライター 河村康彦)

■テスト車のデータ
ポルシェ911カレラ4S
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4519×1852×1300mm
ホイールベース:2450mm
車重:1565kg(DIN)
駆動方式:4WD
エンジン:3リッター水平対向6 DOHC 24バルブ ターボ
トランスミッション:8段AT
最高出力:450PS(383kW)/6500rpm
最大トルク:530N・m(54.0kgf・m)/2300-5000rpm
タイヤ:(前)245/35ZR20 95Y/(後)305/30ZR21 104Y(グッドイヤー・イーグルF1アシンメトリック3)
燃費:9.0リッター/100km(約11.1km/リッター、欧州複合サイクル)
価格:1772万円/テスト車=2173万4000円
オプション装備:ボディーカラー<ゲンチアンブルーメタリック>(20万3000円)/スタンダードインテリア<ブラック/モハーヴェベージュ>(9万8000円)/右ハンドル仕様(0円)/8段ポルシェ ドッペルクップルング<PDK>(0円)/ポルシェ ダイナミックシャシーコントロール<PDCC>(52万5000円)/リアアクスルステアリング(36万8000円)/スポーツエキゾーストシステム、ハイグロスブラックテールパイプ(42万6000円)/スポーツクロノパッケージ<モードスイッチ含む>(38万1000円)/20、21インチRSスパイダーデザインホイール(38万2000円)/カラークレストホイールセンターキャップ(2万7000円)/自動防眩(ぼうげん)ミラー(9万円)/レーンキープアシスト(9万6000円)/アダプティブクルーズコントロール(27万8000円)/14ウェイ電動スポーツシート、メモリーパッケージ(37万円)/シートベンチレーション<フロント>(17万4000円)/トリュフブラウンシートベルト(7万2000円)/マットカーボンインテリアパッケージ(29万2000円)/BOSEサラウンドサウンドシステム(23万2000円)

[webCG 2019年10月8日の記事を再構成]

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