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発見、古代サメの全身化石 異形の深海魚と重なる姿

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ナショナルジオグラフィック日本版

サメの歯は世界中で最もよく見つかる化石の一つだ。しかし、軟骨魚類であるサメの骨格は、めったに出てこない。かつて栄華を極めたにもかかわらず、初期のサメの多くは外見すらわかっていないのだ。

そんな古代サメの複数の頭骨とほぼ完全な骨格が、モロッコ東部の山地で発見された。2019年10月2日付けで学術誌「英国王立協会紀要B(Proceedings of the Royal Society B)」に発表された論文によると、今回見つかった古代サメ化石は、フェボダス(Phoebodus)属の2種のものという。

フェボダス属については3本の歯が知られている程度で、これまでほとんどわかっていなかった。今回の化石から、このサメがウナギのような体と長い鼻先を持っていたことがわかった。現在も深海を泳いでいるラブカとそっくりだった可能性が高い。

フェボダス属とラブカ属は遠い仲間にすぎないが、両者は歯もよく似ており、摂食の方法も似ていた可能性がある。

研究に参加したスイス、チューリッヒ大学のクリスチャン・クルッグ氏は「現代のサメの多くはのこぎり状の歯を持ち、獲物を細かく刻んでからのみ込みます」と話す。一方、フェボダスとラブカの歯は円すい形で、内側を向いているため、獲物を捕らえて丸のみすることしかできない。

獲物が横からやって来ても

フェボダスの化石が発見されたのは、3億7000万~3億6000万年前のデボン紀後期とされる地層。当時、一帯は浅い海盆だった。水があまり循環せず、酸素濃度も低かったため、死んだサメは腐食せず、長期にわたって保存されたのだろう。

クルッグ氏らはCTスキャンを用いることで、デボン紀後期の原始的なサメがどのような外見だったかを解明しようと試みた。

CTスキャンによる調査の結果、ラブカとの顕著な類似点がいくつか見つかった。体形だけでなく歯もよく似ており、古代の捕食者たちの狩りについて手掛かりを与えてくれている。

現代のサメに詳しいデイビッド・エバート氏は「ラブカは特殊化した捕食者で、瞬時に突進する能力に長けています」と説明する。エバート氏は太平洋サメ研究センターに所属し、数十年前からラブカを研究している。「内側に向いた歯も、捕まえた獲物を一方向、つまり、のどの奥に導く助けになっています」

しかし、深海に暮らすラブカはめったに見られないため、その摂食行動については、解明されていない点がいくつもある。そこで、研究チームはフェボダスの摂食方法をより深く理解するため、頭骨、顎、歯が驚くほどよく似ている別の無関係な種も調べてみることにした。アリゲーターガーという巨大な淡水魚だ。

アリゲーターガーはフェボダスと同様、長い顎と平らな頭骨を持つ。これらはかむ力を制限する要素だ。ただし、アリゲーターガーの摂食行動を研究する米シカゴ大学のジャスティン・レンバーグ氏によれば、このような頭には利点もあるという。

「彼らは開けた水域で狩りをします。つまり、次の獲物がどこからやって来るのかわからないということです。平らな頭と長い顎は、横からやって来る獲物にかみつくのに適しています」

今も深海に潜んでいるのか?

サメとガーというまったく異なる魚の捕食戦略を比較するのはおかしいと思うかもしれない。しかし、レンバーグ氏によれば、絶滅した動物の行動を古生物学者が再現する際、しばしば、このような分析がとても効果的だという。

「特定の構造や戦略が有効だった場合、現生種と化石記録の両方で、同じ構造や戦略が繰り返し現れる傾向にあります」とレンバーグ氏は話す。「フェボダスがデボン紀の海を泳いでいたときから多くのことが変わりましたが、水中で摂食することの物理的性質は変わっていません」

それでもフェボダスは、デボン紀に続く石炭紀の初期には絶滅した。似た特徴をもつラブカが登場する何千万年も前のことだ。人目を避けて暮らすラブカのように、フェボダスとよく似た種がまだ深海に潜んでいる可能性はあるのだろうか?

ラブカの専門家であるエバート氏は「可能性はないと思います」と述べている。「私は新種を探すことにキャリアを費やしてきましたが、このような種に遭遇したことはありません」

(文 TIM VERNIMMEN、訳 米井香織、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2019年10月2日付]

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