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画像はイメージ=PIXTA

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前回は公平さの定義が不可能である以上、人事における不公平の是正はできない、というお話をしました。そして、それでもなお不公平感をぬぐえない人たちの「損をしている」という感情が、その人たちの出世にマイナスの影響を与える可能性を示しました。今回はそのあたりの心理と出世の構造をときほぐしてみましょう。

出世に負けて攻撃を始める人たち

「あんなやつが先に出世するなんて」

「あの部署の連中の賞与が、うちの部署よりも多いなんて」

人事にからんだ愚痴では、とかく他人との比較がされています。

本当なら自分も出世するはずなのに、別の人が出世した。

本当なら自分の方が多くもらうべき賞与を、別の人がたくさんもらった。

そんな比較の結果、人は羨望や嫉妬の感情をいだきます。

羨望や嫉妬の感情を丁寧に解きほぐしてみると、3つのタイプがあるといわれています。では下記の例から、みなさんが共感できるものはどれでしょう?

優秀だし結果も出している後輩が自分よりも先に出世した状況を考えてみてください。

A「彼なら仕方ない。悔しいが当然だろう」
B「後輩の方が先に出世するなんて我慢できない」
C「後輩の方が先に出世したのだから仕方ない。私はもう出世できないだろう」

さて、この中で出世に向いているタイプの感情はどれでしょう?

欲しいものからの逃避はなかなか難しい

まずこの3つの感情の中で、一番出世しづらい感情はCです。

Cのように考えてしまうタイプの人は、本音のところでは、とても「それ」が欲しいのです。けれども物分かりがよいように感情を抑えてしまっています。

もし本当に「それ」が欲しくない人であれば、感情としては、「おめでとう!」あるいは「よかったねー」というものになるはずです。

後輩の出世に心から「おめでとう!」と言える人は、その出世で得られる名声や報酬よりも多くをすでに持っているタイプです。

後輩の出世に興味なさげに「よかったねー」と言える人は、本当に出世に興味がない人です。それよりも大事ななにかがあるので、そのような言葉を出すことができます。

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