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コンサルは本当につぶしが利く? 転職市場は辛口評価

人気過熱のコンサル就活事情(3)

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NIKKEI STYLE

就活生の間で人気が急上昇しているコンサルティング業界。かつては一部の超優秀な学生が受けていたイメージでしたが、最近は人気の裾野が広がっています。過剰とも言えるコンサル人気の背景と、その実情に迫ります。

終身雇用など日本型雇用の枠組みが崩れつつある今、転職を前提に就活している学生も多い。とりわけコンサルを目指す就活生たちからよく聞くのは「コンサルはつぶしが利く」というセリフだ。連載3回目では、その「つぶしが利く説」がどこまで本当なのか、現役のコンサル、元コンサル、転職の専門家らに取材した。

採用数の増加→質が低下?

まず話を聞いたのは、野村総合研究所で戦略コンサルと採用を経験し、現在はクライス&カンパニーで、コンサル出身者の転職・キャリアサポートを行っている山本航さんだ。

「転職市場において、コンサル出身者の存在感が増しているのは確かです。スポーツに例えれば、3年ぐらい優秀なメンバーの中で鍛えられると、特定の筋肉、つまり専門性はつかなくても、全般的な運動能力が高まる。その結果、何の種目をやらせても卒なくこなせる一定レベルのアスリートが出来上がる。そういう期待からコンサル出身者へのニーズが高まっています」

実際にコンサル出身者で、若くして事業会社の幹部に就くケースは珍しくない。そういった事例がたくさんあるだけに、学生も「コンサル=転職に強い」というイメージがあるのだろう。

一方で、人材の質がかつてより低下しているのでは、とささやく声もある。戦略コンサルのA.T.カーニーの元社員がそれを感じたのは、4、5年前から。東京大学などのトップレベルの学生が、起業やベンチャーへの就職を選ぶことが珍しくなくなってきた時期と重なる。また、「ここ数年、コンサル業界の市場規模が拡大し、採用を大幅に増やしたことも人材の質低下に拍車をかけている」と指摘する。

質の低下については、大手人材ファーム(ヘッドハンティング会社)のハイドリック・アンド・ストラグルズの渡辺紀子パートナーからも気になる話を聞いた。

「実はコンサル業界のトップとされてきたMBB(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストンコンサルティンググループ、ベイン・アンド・カンパニーの3社を合わせた呼び名)といえども、会社として採るべくして採った人材だけでなく、クライアント先への常駐ニーズの増加に伴い、採用枠を広げた結果採られた人材がいるというのは、人材業界ではよく知られた話です。経営人材を探している事業会社のトップからも『◯◯(社名)の2軍は勘弁して』と言われることもあります。もともと一口にコンサルといっても序列があるので、トップレイヤーでないコンサルだとさらに低い評価になってしまいます」

少しでも昇進が遅いとむしろマイナス評価

渡辺さんによると、コンサル出身者は「様々な業界について幅広い知識を持っている」「圧倒的に資料作成能力にたけている」などと高評価されることが多い一方で、コンサル業界特有の階層システムが、外部からの厳しい評価につながるとも指摘する。

「コンサルの階層は、会社によって多少名称は違いますが、だいたい『アナリスト』で始まり、『アソシエイト』『マネージャー』『プリンシパル』『パートナー』などと上がっていきます。そして最短何年で、昇進していくのかもおおよそ決まっている。そこが一般の事業会社に比べて、外部から見ても非常にわかりやすいのです。そのためちょっとでも昇進が遅れてしまうと『デキない人』という烙印(らくいん)を押されてしまって、かなりマイナス評価されてしまう傾向があります」

コンサルに入りさえすれば「つぶしが利く」わけではなく、入ったあとで、どういう仕事をこなしてきたのか、優秀な人材ぞろいの環境の中でどう評価を受けてきたかが、厳しく問われるというわけだ。

コモディティー化するコンサル

さらに、ある戦略コンサルの20代後半の現役社員からは、こんな衝撃発言も飛び出した。

「正直言うと、今からコンサルに就職するのはオススメしないし、僕自身今すぐ辞めて転職したい。学生には、今のコンサル企業の実情が伝わっていないように思います」

この社員いわく、オススメしない理由は3つ。(1)コンサルタントが増え過ぎて、コンサル出身者の市場価値が下がってきている(2)近年、業界自体の構造が大きく変わり、成長性に疑問がある(3)個人としても期待するほど成長ができなくなっている――からだという。1つ目は単純な話なので2つ目、3つ目について解説してもらった。

まずは業界構造の変化について。かつては企業のトップ相手に、全社的な経営戦略を指南するのが「戦略コンサル」、その実行支援まで手がけるのが「総合コンサル」とされていた。それがいまや両者の境目が曖昧になり、競合するケースが増加。さらに、クライアントである事業会社にコンサル出身者が増えた結果、ある意味「コンサルの使い方」がうまくなり、単価の高い経営戦略案件が少なくなっているという。

「その代わりに増えているのが業務改善や、そのためのシステム構築などのいわゆる『オペレーション案件』です。よく『高級人材派遣』と揶揄(やゆ)されたりしますが、クライアントに常駐して、オペレーションばかりやるコンサルタントが増えている。コンサル企業としてはその派遣ビジネスはもうかるのでいいのでしょうが、結果として、戦略コンサル出身者であっても、実はRPA(ホワイトカラーのデスクワークを、ソフトウエア型のロボットが自動化して代行する仕組み作り)しかやったことがなく、本来の戦略コンサルとしての能力はイマイチ、なんてことも起きています」

かつてコンサルが得意としてきたマーケティング戦略や生産管理などもさまざまなIT ツールや、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)と呼ばれるサービスでカバーできるようになってきた。「結果としてコンサル企業が付加価値を出しにくくなり、中で働く個人も、期待していたような成長が見込めなくなっています」

コンサルも働き方改革で「ホワイト化」

コンサル志望者がよく口にする「コンサル=成長スピードが早い」という説が、実際はそうでもなくなっているという指摘は、他にも複数の人から聞いた。前出のクライス&カンパニーの山本さんもその一人。

山本さんによると、成長スピード鈍化の大きな要因はコンサル業界の「ホワイト化」にあるという。コンサル業界に限ったことではないが、働き方改革が進む中で、部下の残業時間が増えてしまうと上司の評価が下がるため、以前のように若手に仕事を振れなくなっているというのだ。

「コンサルといえば、かつては朝9時から翌朝5時まで働くのが当たり前と言われるほど激務でしたが、いまでは新人を午後5時、午後6時に帰す企業も増えています。ホワイトな働き方を期待して入社する人にはいいでしょうが、いろんなプロジェクトに参加して力をつけたいと考える若手にとっては物足りない状況が起きている。昔に比べて入社3年目までに経験するプロジェクト量が格段に落ち、いざ転職しようとした時に、『つぶしが利く』人材になっていないリスクもある。下手すると期待しているほどの転職先候補が見つからないケースもあります」

もちろん、こうした事例は全員が当てはまるわけではないし、キャリアに何を求めるかは人それぞれだ。いずれにせよ、これからコンサルを目指す学生は、イメージに振り回されず、業界全体がいまどうなっているのか、そこで働く人たちの生の声もしっかり聞いておく必要があるだろう。コンサル業界は「なんとなく」や「とりあえず」志望して生きていけるほど甘くない。

(石臥薫子)

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