2019/10/28

少しでも昇進が遅いとむしろマイナス評価

渡辺さんによると、コンサル出身者は「様々な業界について幅広い知識を持っている」「圧倒的に資料作成能力にたけている」などと高評価されることが多い一方で、コンサル業界特有の階層システムが、外部からの厳しい評価につながるとも指摘する。

「コンサルは昇進が遅れるとマイナス評価されてしまう」と語る渡辺さん

「コンサルの階層は、会社によって多少名称は違いますが、だいたい『アナリスト』で始まり、『アソシエイト』『マネージャー』『プリンシパル』『パートナー』などと上がっていきます。そして最短何年で、昇進していくのかもおおよそ決まっている。そこが一般の事業会社に比べて、外部から見ても非常にわかりやすいのです。そのためちょっとでも昇進が遅れてしまうと『デキない人』という烙印(らくいん)を押されてしまって、かなりマイナス評価されてしまう傾向があります」

コンサルに入りさえすれば「つぶしが利く」わけではなく、入ったあとで、どういう仕事をこなしてきたのか、優秀な人材ぞろいの環境の中でどう評価を受けてきたかが、厳しく問われるというわけだ。

コモディティー化するコンサル

さらに、ある戦略コンサルの20代後半の現役社員からは、こんな衝撃発言も飛び出した。

「正直言うと、今からコンサルに就職するのはオススメしないし、僕自身今すぐ辞めて転職したい。学生には、今のコンサル企業の実情が伝わっていないように思います」

この社員いわく、オススメしない理由は3つ。(1)コンサルタントが増え過ぎて、コンサル出身者の市場価値が下がってきている(2)近年、業界自体の構造が大きく変わり、成長性に疑問がある(3)個人としても期待するほど成長ができなくなっている――からだという。1つ目は単純な話なので2つ目、3つ目について解説してもらった。

まずは業界構造の変化について。かつては企業のトップ相手に、全社的な経営戦略を指南するのが「戦略コンサル」、その実行支援まで手がけるのが「総合コンサル」とされていた。それがいまや両者の境目が曖昧になり、競合するケースが増加。さらに、クライアントである事業会社にコンサル出身者が増えた結果、ある意味「コンサルの使い方」がうまくなり、単価の高い経営戦略案件が少なくなっているという。

「その代わりに増えているのが業務改善や、そのためのシステム構築などのいわゆる『オペレーション案件』です。よく『高級人材派遣』と揶揄(やゆ)されたりしますが、クライアントに常駐して、オペレーションばかりやるコンサルタントが増えている。コンサル企業としてはその派遣ビジネスはもうかるのでいいのでしょうが、結果として、戦略コンサル出身者であっても、実はRPA(ホワイトカラーのデスクワークを、ソフトウエア型のロボットが自動化して代行する仕組み作り)しかやったことがなく、本来の戦略コンサルとしての能力はイマイチ、なんてことも起きています」

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コンサルも働き方改革で「ホワイト化」
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