コンサルは本当につぶしが利く? 転職市場は辛口評価人気過熱のコンサル就活事情(3)

2019/10/28
写真はイメージ=PIXTA
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就活生の間で人気が急上昇しているコンサルティング業界。かつては一部の超優秀な学生が受けていたイメージでしたが、最近は人気の裾野が広がっています。過剰とも言えるコンサル人気の背景と、その実情に迫ります。

終身雇用など日本型雇用の枠組みが崩れつつある今、転職を前提に就活している学生も多い。とりわけコンサルを目指す就活生たちからよく聞くのは「コンサルはつぶしが利く」というセリフだ。連載3回目では、その「つぶしが利く説」がどこまで本当なのか、現役のコンサル、元コンサル、転職の専門家らに取材した。

採用数の増加→質が低下?

まず話を聞いたのは、野村総合研究所で戦略コンサルと採用を経験し、現在はクライス&カンパニーで、コンサル出身者の転職・キャリアサポートを行っている山本航さんだ。

「転職市場において、コンサル出身者の存在感が増しているのは確かです。スポーツに例えれば、3年ぐらい優秀なメンバーの中で鍛えられると、特定の筋肉、つまり専門性はつかなくても、全般的な運動能力が高まる。その結果、何の種目をやらせても卒なくこなせる一定レベルのアスリートが出来上がる。そういう期待からコンサル出身者へのニーズが高まっています」

実際にコンサル出身者で、若くして事業会社の幹部に就くケースは珍しくない。そういった事例がたくさんあるだけに、学生も「コンサル=転職に強い」というイメージがあるのだろう。

一方で、人材の質がかつてより低下しているのでは、とささやく声もある。戦略コンサルのA.T.カーニーの元社員がそれを感じたのは、4、5年前から。東京大学などのトップレベルの学生が、起業やベンチャーへの就職を選ぶことが珍しくなくなってきた時期と重なる。また、「ここ数年、コンサル業界の市場規模が拡大し、採用を大幅に増やしたことも人材の質低下に拍車をかけている」と指摘する。

質の低下については、大手人材ファーム(ヘッドハンティング会社)のハイドリック・アンド・ストラグルズの渡辺紀子パートナーからも気になる話を聞いた。

「実はコンサル業界のトップとされてきたMBB(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストンコンサルティンググループ、ベイン・アンド・カンパニーの3社を合わせた呼び名)といえども、会社として採るべくして採った人材だけでなく、クライアント先への常駐ニーズの増加に伴い、採用枠を広げた結果採られた人材がいるというのは、人材業界ではよく知られた話です。経営人材を探している事業会社のトップからも『◯◯(社名)の2軍は勘弁して』と言われることもあります。もともと一口にコンサルといっても序列があるので、トップレイヤーでないコンサルだとさらに低い評価になってしまいます」

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