
今回は、写真家ジョニー・ミラー氏が「Unequal Scenes(不平等な風景)」シリーズでとらえた作品を紹介したい。
ドローンを使って空から撮影した写真を見ると、都市の中の経済格差が一目でわかる。道路、運河、柵などが、土地を分断し、富裕層と貧困層を隔てる境界になっている。

写真から見える鮮やかな対比は、都市開発の不均衡を際立たせる。
例えば、インド、ムンバイの整然とした開発地に隣接する掘っ立て小屋。米国デトロイトの、空き地が目立つ地区の隣で、対照的にどんどん発展して行く地区。南アフリカの裕福なコミュニティーの周りに張り巡らされた電気柵。これらの光景は、人工的なものであれ自然の地形によるものであれ、明示的に作られた境界が、いかに都市内の格差を広げていくかを示している。

次ページでも、ミラー氏が空から撮った経済格差を象徴する写真を7点紹介する。