筑駒→東大法 大学5年で挫折したギタリストの夢  A.T.カーニー日本法人会長 梅澤高明氏編集委員 小林明

運命の「キッス」との出会い、中3でギター小僧に

――もともとクラシック音楽や歌謡曲が好きだったそうですが。

ピアノ発表会で(小学校時代)。ブラームス、マーラーなどクラシック音楽は今も好きだという

「小学校の間は自分から言い出してピアノを習っていました。歌謡曲が好きで、その年のヒット曲の譜面を毎年買い、ピアノで練習したりしていた。中学に入ると父親が買ってくれたレコードプレーヤーでクラシックを聞くようになります。ブラームス、ブルックナー、マーラー、シベリウスあたりは今でも大好きです。受験勉強を普通にやっていれば筑駒から東大に合格できると思っていたので、将来は東大のオーケストラに入り、バイオリンを弾くつもりでいました」

「ところが中3で運命を変える出来事が起きます。クラスの席替えでたまたま隣に座ったのがロック好きの風変わりなヤツで、話しているうちに互いの好きなレコードを交換してみようということになった。それで僕がベートーベン、彼がロックバンドの『キッス』を持ってきたんです。その瞬間、僕は『キッス』に完全にやられました。『これ格好いいじゃん』と目覚めてしまった。本当は翌週、バイオリンを買う予定だったのに、彼に神田の楽器屋に連れて行かれてエレキギターとアンプを買うことになります」

ロックに目覚めたきっかけは「キッス」。野田秀樹さんらを輩出した筑駒・演劇部を乗っ取り、自分たちのバンドの部屋にしていた

「ディープ・パープル」をコピー、筑駒・演劇部を乗っ取る

――それで友人とバンドを組むわけですね。

「初めてバンドを組んだのは高1の時。ロックが好きになった入り口は『キッス』でしたが、掘り進めてゆくと『キッスはチョロかったな』と気付き、『ディープ・パープル』にはまります。バンドでは『ディープ・パープル』の曲をコピーしながらリードギターを練習していました。ただリードギターにはうまい人が多いので、ベースギターも弾くようになります」

「バンド活動をしていて困ったのが、楽器を置いたり、練習したりする場所をどう確保するか。そこで目を付けたのが演劇部。筑駒の演劇部は野田秀樹さんを輩出するなど由緒ある部でしたが、僕らの時代は休眠状態だった。だからバンドのメンバー全員で演劇部の部員になり、部室を乗っ取り、バンドの部屋として使っていたんです」

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