マネー研究所

眠れぬ人の法律クリニック

あなたは大丈夫?消費税で還付金詐欺 巧妙になる手口 弁護士 志賀剛一

2019/10/10

メールやSMSでは「増税に伴うセキュリティー強化のため、キャッシュカードや通帳の利用を一時停止した、再開するためにはウェブサイトで設定を行う必要がある」などともっともらしい理屈をつけて再開の手続きの設定を行うよう指示され、本物そっくりのログイン画面に誘導されると店番号・口座番号や暗証番号の入力画面が表示されます。

もちろん、これらを入力すればログイン情報が流出し、預金が不正に払い戻されるといった被害が出ることになります。インターネットバンキングによる預金などの不正払い戻しについては、全国銀行協会の申し合わせにより、預金者が保護される場合もあります。

ただし、預金者に重大な過失ありと判断される場合(よく例に挙げられるのがパスワードを生年月日にしていた場合など)は補償を受けられない可能性がありますし、預金者に単純な過失ありと判断される場合でも、その補償額が減額される可能性があります。

本物そっくりのログイン画面のフィッシングサイトにひっかかってしまった場合、過失がどう判断されるのか、私が調べた範囲では公表されている判例も見当たらず、何とも言えませんが、少なくとも銀行のホームページ(HP)などでキャッシュカードや通帳の利用の一時停止措置がとられているかどうか、自ら確認すべきでしょう。

■わかりにくい施策が被害者を増やす?

消費税増税に便乗した詐欺については「金融機関や行政などが、消費税増税を理由に消費者個人に電話をかけてくることはない」「お金が戻ってくると言われても信用するな」など、警察や行政が啓発活動をしていますが、消費税増税に伴う様々なわかりにくい施策が国民(特に高齢者)の誤解を生み、詐欺被害者を増やしている最大の理由ではないでしょうか。

テレビをつければ日に何度も「キャッシュレスでポイント還元」を解説しています。しかし、店によって還元率は2%と5%があり……これに軽減税率の難解さも絡み、複雑すぎて、正確に理解できている人がどれだけいるでしょうか(私自身もきちんとわかっていないと思います)。

マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL