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インデックス型投信、実は選別肝心 リターンに格差も QUICK資産運用研究所 高瀬浩

2019/10/9

写真はイメージ=123RF

「老後資金2000万円問題」や厚生労働省が8月末に発表した公的年金の財政検証をきっかけに自分で資産形成をする大切さを感じた人は少なくないだろう。個人がまとまった資産をつくるには長期の積み立て投資が有力な手段とされ、積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo)などを利用する人も増えている。

こうした資産運用の初心者に向くとされることが多いのがインデックス型投信だ。日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの指数が採用している銘柄を基に組み入れ銘柄を自動的に決めるため、ファンドマネジャーが独自の調査・分析をして銘柄を選ぶアクティブ型よりコストが安く、長期の運用成績もアクティブ型を上回りやすいとみなされているからだ。

■平均リターン、インデックス型が優位

では実際のところ、インデックス型とアクティブ型の積み立て投資の運用成績はどうだろうか。投信の分類別にインデックス型とアクティブ型の平均リターンを比べたのが下の表だ。積み立て投資の開始時期は15年前の2004年9月とした。長期で運用する間には相場が大きく変動することは珍しくなく、08年に起きたリーマン・ショックに伴う金融市場の大幅調整を踏まえた試算にするためだ。また長期投資の強みである複利効果を最大限に生かすため、試算対象は15年間に1回も分配金を出していない投信に限定し、19年8月まで毎月末の基準価格で一定額を購入したという仮定でリターンを調べた。

表をみるとインデックス型の平均リターンは5分類すべてでアクティブ型を上回ったことが分かる。金融危機での大幅下落を乗り越えて平均リターンはどの分類もプラスになり、リスクがより高い日本株や海外株の平均リターンが大きいのも特徴だ。もちろん積み立て投資を始める時期をいつに設定するか、積立期間をどれくらいにするかなどで結果は変わる可能性はあるが、少なくとも今回の試算ではインデックス型の優位が裏付けられたといえるだろう。リスクを取る以上、市場平均並みのリターンで十分として投資初心者がインデックス型投信を選好するのは一つの合理的な判断だ。

■「インデックス型ならどれでも」は早計

ただしインデックス型のなかでもリターンに差があることは見逃せない。インデックス型は指数に連動する運用をして市場平均並みを目指すのだからどれを選んでも大きな差はないと考えるのは早計だ。例えば日本株のインデックス型の最高リターンは84.7%と最低を約34ポイント上回る。バランス型の最高と最低の差も約35ポイントと小さくない。

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