声優・斉藤壮馬が選ぶ 働く女性が疲れた夜楽しめる本
心が元気になる本&マンガ(4) 斉藤壮馬(声優)
A. 電子書籍で大長編マンガに手を出しやすくなった。全74巻の『BLEACH』を一気読みするとか
電子書籍の良さを知って 読む本の幅が広がってきた
声優界きっての読書家、斉藤壮馬さんの読書ライフは"どこでも読書"。
「寝る、食べると同じ、当たり前の日常。リビングや寝室、バスルームにも、場所に応じた本があって常に並行して何冊も読んでいます。本選びの基本は書店での"ジャケ買い"ですが、最近はECサイトのサジェストから買うことも増えました。これが意外な出合いがあって楽しいんです」
装丁や紙の手触りを楽しめる紙が好きだったが、最近は電子書籍も活用する。試し読みができることで、コミックエッセイに手を出す機会も増えた。
「小説などは行間もじっくり読める紙崇拝派ですが、ビジネス書や新書は電子書籍が効率的。また、マンガ原作の役をやる関係上、役づくりに電子書籍は欠かせません。小さなコマでも拡大表示すると、キャラクターの表情がしっかり見えるので」
働く女性向けに選んだ2冊の共通点は、疲れないけれど上質なエンタメである点。
「本と格闘するアグレッシブな読書も好きですが、疲れた夜はこういう本を楽しむとぐっすり眠れます」
『クライム・マシン』 ジャック・リッチー著、好野理恵 他訳 河出文庫/840 円(税別)
「短編集なのに極上のエンタメ。多彩なタイプの作品が詰まっています」
軽妙な語り口に奇抜な発想、短編ミステリーの名手ジャック・リッチー名作選。表題作ほか、全14編。
「無駄のない文章と軽快なリズム、そして思いもよらぬ大どんでん返し。作品の並べ方も絶妙なんですが、どこから読んでも、短時間でも楽しめる上質のエンタメだと思います」
『酒と恋には酔って然るべき』 はるこ作秋田書店/680 円(1 巻、税別)※現在3巻、刊行中
「自分もこんな会話がしたい。カップ酒のレンチンも試しました」
彼氏いない歴3年、日本酒大好きな32歳のOL・松子と、クールな年下男子の、粋に酔わせる恋物語。日本酒の豆知識も満載。
「ストーリーの面白さもさることながら、松子と同僚の白石さんとの、ギャグなのに真実を突く会話が楽しい。松子は結婚したいくらいタイプです」
14月22日山梨県生まれ。大学在学中の2009年に声優デビュー。14年春からの『ハイキュー!!』で注目を集める。10月から『歌舞伎町シャーロック』が放送開始。
取材・文/永浜敬子 写真/洞澤佐智子 スタイリング/本田雄己 ヘアメイク/紀本静香(エミュー) 衣装協力/glamb Tokyo
[日経ウーマン2019年9月号の記事を再構成]