転職成功へ企業の本音見抜け 採用者納得の3ステップ経営者JP社長 井上和幸

細かい文言から読み取れる採用側の実情

人材エージェントやヘッドハンティング会社が公開するクライアント企業の案件として、かなり一般的なレベルの情報です。情報量として不足はありませんが、詳細までは分かりません。こうした場合、エントリー時点ではこの情報から求人ニーズをできるだけ理解し、その上で自分との接合点が十分にあり得るのかを確認することになります。それが「あり」となって、ぜひ可能性を知りたいとなれば、実際に応募して人材エージェントやヘッドハンティング会社に具体的な会社名と事前に聞ける内部情報を取得しましょう。

企業名が分かってからは、自分でもその企業のサイトはもちろん、関連する企業情報やニュース情報をチェックできるようになります。社長がインタビューを受けていたりブログを持っていたりすれば、それらにも目を通し、情報を収集しながら、その会社の考え方や雰囲気などを感じ取ることも非常に重要なことです。

募集職務に関しては、公開された業務内容から、この会社が投資ファンドに買収され、社長がオーナーから外部のプロ経営者にバトンタッチされたことが分かります。なぜ買収されたのか、業績不振か、後継者不在か。このあたりは企業情報の開示を受けた際にいの一番に確認したい点ですね。「若返りも図った同社のここからの成長を支えていただけるCFO」とありますので、世代感(年齢)も先方は気にしそうだなと想像できます。

必須要件を読むと、財務・経理・経営企画を管轄できる、ゼネラルな経理財務部長職だと分かります。歓迎要件のほうに「製造会社での経理財務部長、CFOご経験」とあるので、製造会社出身であることをマストで考えてはおらす、もちろんそのほうが望ましいが、それ以上に「経理財務」と「経営企画」の適任者をマストとしていることが理解できます。

求める人物像としては論理思考力と現場に入り込むタイプを兼ねた人を求めていることが分かります。おそらく投資ファンドが投資しており、プロ経営者も参画していることから、事業状況や計画の進捗についてロジカルに把握・リポートできることが求められるでしょう。一方で何がしかの経営改革(若返り)フェーズにあるということで、CFOといえども現場に率先垂範で入り込んでいき、社員たちとコミュニケーションを図りモチベーションアップや組織活性化を図ってほしいのだな(「メンバーエンゲージメント向上力にたけた方」)と想像できます。

採用ニーズと自分自身の接合点を明示する

このような情報の読み込みを行ったうえで、さて、自分自身の経験やスキル、強みとの接点はどれくらいあるのだろうと確認するのが次のステップです。接合点を見いだせた部分については、エントリー段階で職務経歴書に、面接に進んでからは面接時の話で、しっかり盛り込み、アウトプットしましょう。

必須要件については、募集企業としては、あなたがその記載の通りの経験、スキル、専門性を持って、どのような成果を出してくれるか(稼いでくれるか=売り上げ・利益を高めてくれるか、担当業務をうまく遂行してくれるかなど)を知りたいのです。企業は会社をもうけさせてくれる、あなたのテクノロジーを具体的に知りたいのだということを改めて認識したうえで、その観点から表現することです。

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