転職成功へ企業の本音見抜け 採用者納得の3ステップ経営者JP社長 井上和幸

転職面接の前に求人情報を読み込む意味は大きい。写真はイメージ=PIXTA
転職面接の前に求人情報を読み込む意味は大きい。写真はイメージ=PIXTA

業種・業界のみならず、職種・職責もかなりバラバラの求人に片っ端からエントリーするような「やみくも」エントリー応募については、以前に紹介しました(記事は「危ういミドルの『猪突猛進型』転職 実力がバレる理由」)。では、こんなムリ、ムダを避けるには、具体的にどうすればよいのでしょう。それは案外と簡単なことで、答えはみなさんが転職応募の際に必ず見る「求人情報」にあるのです。今回は改めて基本に立ち返り、求人情報の基本項目である「業務内容」「必須要件」「歓迎要件」「求める人物像」から正しく転職活動を組み立てる方法を伝授します。

そもそも応募先企業の基本情報をほとんど見ていない。通りいっぺんの職歴自己紹介はそつがないのに、部分部分で深掘りの質問を浴びると、各論が話せない。こうした「猪突(ちょとつ)猛進」型の失敗パターンを踏まえて、結論から述べると、転職活動の成功とは、次に挙げる3ステップをクリアすることです。

(1)応募先企業がどのような人を採用したいと考えているかをつかみ(採用ニーズの正確な把握)
(2)その採用ニーズに自分が合致していることを伝え(接合点の提示)
(3)応募先企業があなたを雇うことに十分なメリットを感じる(再現性の提示)

「あなたが相手企業に感じている魅力」「その職務につくあなたのメリット(経験したいこと、学びたいことなど)」「あなたの優れていること」などは、大事な部分ですが、まず3ステップありきでない限り、企業があなたを雇いたくなる直接的な理由にはなりません。しかし、3ステップの情報交換をせずに、このようなあなた側の(勝手な)メッセージだけを面接時に一生懸命にアピールする人も少なくありませんが、これが大きな間違い、失敗のもとなのです。

求人情報から採用ニーズを正確に把握する

では、具体的に見ていきましょう。皆さんが転職活動でまず最初にする通り、企業の採用ニーズは転職サイトや自社ホームページに掲載された求人情報の「業務内容」「必須要件」「歓迎要件」「求める人物像」に記載されています。今回は以下の求人情報をサンプルに使います。

■中堅部品メーカーA社(本社:神奈川県、売上高:60億円、従業員数:300人)
募集ポジション「CFO(最高財務責任者)候補」
●業務内容
ある特定の金型で高い技術を持つ老舗部品メーカー会社が経営体制刷新に伴いCFO候補を求めます。オーナー家から投資ファンドに株主が移行し、外部から新社長が着任。その社長と共にこれからの同社をけん引いただける管理部門トップに参画いただきたいと考えています。若返りも図った同社のここからの成長を支えていただけるCFOの参画を期待します。

●必須要件
経理財務部長として、財務・経理・経営企画の統括・推進で十分なご経験とご実績をお持ちの方
●歓迎要件
・製造会社での経理財務部長、CFOご経験をお持ちの方
・管理本部長として人事総務、法務、情報システムも包括してマネジメントしたご経験をお持ちの方、歓迎

●求める人物像
・論理思考力にたけた方
・メンバーエンゲージメント向上力にたけた方
・現場に入り込みコミュニケートするスタイルのリーダー人材