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プロ経営者の松本晃氏。伊藤忠商事からジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)日本法人に転じて頭角を現し、その実績を買われて招かれたカルビーでも売上高を倍増するなど結果を出し続けてきました。松本氏が自らのビジネスの軌跡を振り返るロングインタビューから「リーダーに求められる条件」を探ります。(全26回)

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【第1回】社外で評価される人になる プロ経営者・松本氏の原点

「若い頃から成功することに非常にこだわっていました。成功する人間は、誰かが(その能力や才能を)買いに来ます。だから私は、外の人から買われる、評価される人間になりたかった。それで伊藤忠をやめたのです」

【第2回】お客が1番、社員が2番 給料上げる経営とJ&Jの教え

「お客さんが1番、その次は社員、その次はコミュニティー、最後が株主さん。責任を果たせば、確実に自分に返ってくるんです。だから順番を間違ってはいけない。みんなから感謝されることが経営者には大事なのです」

【第3回】経営者は駅伝ランナー、引き際「スパッと」が美しい

「会社経営は駅伝のようなものです。次の走者が一生懸命走っているのに、『俺も、もうちょっと走れるから』と言って伴走するようなことは、やってはいけない。正直、みっともないと思いますね」

【第4回】すべては数字の成果主義 「評価に情」でみんな不幸に

「社員は公平公正に評価されるべきです。すると基準は成果しかない。日本では『あいつは成果が出ないけど、すごく頑張っている『』と、精神的な努力を評価する傾向があります。それでは会社はうまくいかないでしょう」

【第5回】午後2時でも退社OK 働き方改革「元祖」の徹底ぶり

「残業代なんか本当は払うべきじゃないと思っていました。長時間労働なんて何の自慢にもならない。しかし、いまだに昔の働き方が最適だと思っている人が、日本にはたくさんいる。ブラック企業は自然淘汰されますよ」

【第6回】女性管理職の比率4倍に 活躍の道、トップが力ずくで

「そもそも、なぜダイバーシティーが必要かという議論があります。世の中は男と女が半々なんだから、半分しか使わなかったら、うまくいかないにきまっているじゃないですか。偏った人材でビジネスなんてできっこない」

【第7回】「出世して取締役」の勘違い おかしな日本の企業統治

「取締役と執行役では、どちらが偉いと思いますか。会社のかじを取るという意味では、執行役の方がはるかに偉いんです。取締役は、名前の通り取り締まる役。当たり前のことがわからなくなるんだから、不思議ですよね」

【第8回】改革はトップの覚悟から 抵抗勢力も「納得」で変わる

「会社を大きく変えようと思ったら、トップダウンで、いろいろな抵抗勢力と戦わなくちゃいけない。『ガタガタ言わずにやれ。嫌なら辞めろ』というくらいの強いメッセージを発する。そうしないと勝てません。」

【第9回】社員は耳にタコ カルビーを元気にした10カ条の掟

「経営者は色々言いたがるものです。でも、言い過ぎると逆に伝わらない。誰も覚えられないから、10ぐらいが一番いいんです。その代わり、ことあるごとに社員に伝えました。社員の耳にはタコができたんじゃないですか」

【第10回】会社はムダだらけ 会議・書類・売れない商品は廃止

「僕はもともと合理的な人間、プラグマティストなんです。無駄なことは大嫌い。無駄とわかっていてやるなんて、意味がないと思っています。これは経営というより生き方の問題なので、直そうとしても直らない」

【第11回】中国で大失敗、海外事業は50点 国際化の肝は現地化

「CEOをやっていた時代のカルビーの海外事業に点数を付けるなら、いいとこ50点です。規模は金額で10倍ぐらいになったんじゃないかと思います。ただ、年商1兆円という夢からすると、もっと成長しないといけなかった」

【第12回】「学ぶ文化」なき会社に未来なし 松塾に込めた思い

「人間は学びから始まるんです。学ぶのが、いかに楽しいか。文化というのは、測れるものでも即効性があるものでもない。でも長い目で見れば、会社にも効果をもたらすんじゃないでしょうか」

【第13回】「潰せ」といわれ子会社へ 出向で得たキャリアの転機

「出向を言い渡されたら、みなさんはどんな気持ちになるでしょうか。僕が考えたのは『出向って何だろう』ということです。『出向とは、自分がキャリアで培った財産や知識を出向先の会社に移すことだ』が結論です」

【第14回】二番煎じは恥じゃない 僕の成功法則は「改良者」流

「二番煎じを嫌がる人もいますが、僕は全然気にしません。この国は昔から、テレビでもラジオでも、みんな米国の『まね』をして生きてきたんです。二番煎じは、ちっとも恥ずかしいことじゃありません」

【第15回】社員を動かす「感謝・表彰・報酬」 営業は完全歩合で

センチュリーメディカル時代、営業職に完全歩合制の契約社員を採用した。「給料を僕の倍以上もらっている人もたくさんいました。会社というのは、それが本来の姿なんです。当たり前のことをやっただけです」

【第16回】日本の採用はNG プロ経営者・松本氏の人材目利き力

「面接するときに履歴書は見ません。どこを見るかというと基本は『人』です。ポイントは3つ。インテグリティー(倫理観、高潔さ)を持っているかどうか。地頭がよいかどうか。人に好かれるかどうかです」

【第17回】転職は「この指とまれ」で決まる プロ経営者・松本氏

「昔も今も、転職で一番大事なのは、転職先の会社のビジョンが自分の価値観に合っているかどうかだと思いますね。ビジョンというのは、わかりやすく表現すれば、『この指とまれ』です」

【第18回】いつも財布に「経営哲学」 迷ったら立ち返るJ&J流

松本氏が経営を考える上で最も強い影響を受けた米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の経営理念「Our Credo(我が信条)」。今でも、それを印刷した小さなカードを財布に入れて持ち歩くほどです。

【第19回】仲良し職場は勝てない 「成果と報酬」で育つプロ意識

「僕は『会社というのは厳しく、温かくなければだめだ』と思っています。会社は稼ぐための組織ですから、社員への要求も当然厳しくなります。応えられない場合、出て行ってもらうこともあります」

【第20回】日米の流儀、優劣論じるより…経営は「いいとこ取り」

「米国企業が何でも日本企業より優れているとは思いません。日本企業の方がいい面もいっぱいありますし、米国企業にもだめなところはたくさんあります。要は互いの『いいとこ取り』をすればいいわけです」

【第21回】「営業は天職」 伊藤忠で覚醒、売りまくって得た極意

「メーカーより顧客を見るのが営業スタイルでした。まず顧客を探して親しくなる。そして、顧客が買おうというものを探してきて売るんです。『何か必要なものありませんか、あったら任せてください』とね」

【第22回】残業手当・値引き… 社員の営業力むしばむ4つのワナ

「皮肉っぽく言えば、日本の営業マンは3つのことしかしていません。値引きをすること、サンプルを提供すること、そして交際費を使うことです。僕は値引きは嫌いだったし、接待も好きじゃなかった」

【第23回】経理・法律・英語… 社長めざす人の松本流「13科目」

「ちょっと異質と思われるかもしれませんが、13科目のなかに一般教養があります。特に経営者にとって、歴史の勉強は必須です。どの時代のどの国の歴史をみても、いろいろなことが学べます」

【第24回】プロ経営者の会社選び やはり決め手はトップの魅力

「社長などのオファーは常時ありました。そのなかでRIZAPに決めたのは瀬戸健社長の人間的な魅力が大きかった。自分を主張するのではなく、こちらの話に耳を傾ける。目上の人を尊敬する気持ちが出ている」

【第25回】ビジネスは「答えのないゲーム」 考え抜くから面白い

「仕事の面白さって何でしょうかね。『答えのないゲームだから』というのが、僕の答えです。正解はひとつじゃないし、答えにたどり着くやり方も千差万別。世の中にこんな面白いことが、ほかにありますか」

【第26回】働き方より生き方改革 「面白い人」が日本を変える

「僕が『生き方改革が必要』という根本には、日本経済が諸外国と比べて相対的に悪くなっているという現実があります。いまだに1990年ごろまでの成功体験を引きずっているのが原因です」

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