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食の達人コラム

米大統領に飲んでほしい! 飛騨で奮闘、米国人の蔵人 世界で急増!日本酒LOVE(14)

2019/10/11

渡辺酒造店の蔵人コディさん(右)。日本に移住して15年目

外国人観光客に人気の岐阜・飛騨高山。その高山市に隣接する飛騨市で9代続く蔵元・渡辺酒造店は東は乗鞍岳・穂高岳、西は白山連峰に囲まれた高冷地にある。冬場は氷点下15℃まで下がる厳冬の地で、毎年1~2月は雪で蔵がすっぽり埋まるほど。そこで醸される酒は低温長期の発酵を経て、きめ細やかで香りよい酒になる。

渡辺酒造店の「蓬莱 上撰」は2017年、世界的なワインの品評会であるインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)オーディナリー部門にて金賞&グレートバリューを獲得し、伊勢志摩サミットで海外の貴賓客に振る舞われた。このほか、数々の受賞酒を生み出しているのが渡辺酒造店だ。

蔵人は現在13人。今年で酒造り15年目を迎える米国人のブレイズ フォード・コディさんもその一人だ。飛騨の女性と結婚して蔵に入り、今では副杜氏(とうじ)として立派に蔵をリードしている。

さらに14年から外国人向けの日本酒の開発にも着手。その名も「Cody’s Sake(コディズサケ)」。18年には「全国推奨観光土産品審査会」のグローバル部門にて、「Cody's Sake」が日本酒では唯一となる特別審査優秀賞に輝いた。

米国や英国、オーストラリアなどに輸出されているコディさん開発の酒

「いつか米大統領に私の日本酒を飲んで欲しい!」と流ちょうな日本語で夢を語るコディさん。外国人にも日本酒をもっと楽しんで欲しいと、「Cody's Sakeのラベルは外国人の蔵人として記念になるようなオリジナルのデザインを考えた」(コディさん)。

漢字の銘柄だと日本らしくて格好はいいが、外国人は全然読めず、その意味も分からない。そこで米国の星条旗を連想させるような赤と青のデザインに、コディさんの実印を刻印させた(上の写真中)。斬新なラベルデザインで「Cody's Sake」は日本国内でも話題になり、後から国内販売もスタートした。

「NINJYA」(上の写真右)は忍者をイメージしたデザイン。「フルーティーだけど後味はキレが良い純米酒で、まるで逃げ足が速い忍者みたいなので命名しました」とコディさん。忍者が戦っているような手裏剣入りの、遊び心あるデザインが外国人に好まれている。

同社の酒は米国に加え、英国、香港、シンガポール、オーストラリア、中国に輸出しており、各国の日本大使館にも置かれているという。「海外に日本酒人気を浸透させるにはとても時間がかかる」とコディさんは話すが、直近3年間で、同社の海外売り上げは約2.5倍となった。中国やオーストラリアへの輸出が増えており、今後は東南アジアや南米にも輸出していく予定だ。

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