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画像はイメージ =PIXTA

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あり得ないようなトラブルを巻き起こす「モンスター部下」が最近増えているという。相談をよく受ける社会保険労務士の石川弘子氏は、その実態と対処法を近著「モンスター部下」(日経プレミアシリーズ)にまとめた。石川氏が相談を受けたモンスター部下の実態を同書から紹介する。

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М不動産 概要
創業30年、沿線に10店舗ほど支店を構える地域密着型の賃貸メインの不動産会社。比較的のんびりとした社風で社内の人間関係は良好。
 
登場人物
A男:4月に新卒で入社したばかりの23歳の男性営業社員。人懐っこく愛想がいいが、ルーズなところがある。
Y主任:30代前半の男性営業社員。A男の教育係を任されている。面倒見がよく忍耐強い性格。
I支店長:入社17年目の40代ベテラン支店長。情に厚く、部下を信頼してくれる頼れる上司。

明るくて素直だが、ちょくちょく欠勤する新人

「あれ? A男はまだ来ていないのか? 今日はアポがあるんじゃないのか?」

外出前に資料を準備しているY主任にI支店長が声をかけた。

「ええ、そうなんですが……。今朝A男からLINEが来まして、熱があるから休みますと……」

I支店長は「おいおい、またか?」と呆れた。

新卒で入社したA男は、人懐っこく、仕事も積極的に取り組むので期待されているのだが、お腹が痛い、熱がある、アパートが水漏れしたなど、さまざまな理由で頻繁に遅刻や欠勤を繰り返す。どれも仕方のない理由なのだが、あまりに多い。

Y主任も、「体調管理も社会人の仕事だぞ」と折に触れて注意をするのだが、「気を付けます!」と元気のいい返事をしたさきでまた休むので、頭を悩ませていた。

ある日の朝、A男の担当している客から支店に電話が入った。朝一番で物件を案内してもらう約束で待ち合わせをしていたのだが、時間を30分過ぎても来ない。A男に教えてもらった携帯に電話しても出ないので、支店に電話してきたとのことだった。Y主任は、慌ててA男の携帯に電話したが出ない。

客は、他にもA男の対応に対する不満を次々と口にしだした。約束した時間に電話をしてこない、郵送で送ると言っていた書類をいつまで経っても送ってこない、電話で催促すると、「あ、忘れてました」と、謝罪もせずにあっけらかんとしている、等々。

Y主任は、電話口で平身低頭謝罪し、改めてお詫びにうかがう旨を伝えた。

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