今後就活する学生 4割が「リクナビの利用抑える」就職情報サイト大学生アンケート(上)

2019/10/10

就職活動に就職情報サイトは欠かせないけれど、どう付き合えばいいのか。「リクナビ」を運営するリクルートキャリア(東京・千代田)が学生の同意が不十分なまま、内定辞退率の予測データを企業に販売していた問題を受け、就活生の間ではその利用法について模索が続いている。日本経済新聞社が大学生を対象にアンケート調査を実施(有効回答数400)したところ、就活に就職情報サイトは欠かせないと考える学生が6割近くを占める一方で、これからの就活では、4割が「リクナビの利用は抑える」と答えた。自らの個人情報を守りつつ、情報をより選別して収集しようとする意識が表れているようだ。

学生の59%「就職情報サイトなしで就活できない」

就職情報サイトが就活生に便利に使われている理由は、単に興味がある企業の求人情報を見つけるためだけではない。企業への資料請求や、説明会などの情報を得るエントリー機能、選考の口コミ、エントリーシートの記入例など、効率的に就活ができる様々なツールを備えているためだ。

大学3、4年生に就職情報サイトを使わずに、就職活動が可能かを聞いたところ、59%が「できない」と答えた。理由としては「複数企業のエントリーに便利」(73.7%)、「サイト経由でしかエントリーできない」(47%)と、エントリー機能を重視する意見が多数を占めた。

就活では数十社にエントリーする学生も珍しくない。それを1社ごとにの採用HPで申し込むのは相当な手間になるが、就職情報サイトの機能を使えば、候補の企業にまとめてエントリーできる。「手続きが簡単」(千葉の男子学生)と重宝する学生が多い。

リクナビの利用抑制、「個人情報の流出が心配」

半面、手当たり次第に就職情報サイトを使うのではなく、信頼性を見極めようとする姿勢も目立っている。リクナビについては、今後就活する学生(現在就活中の学生とこれから就活をする学生)の39.6%が「利用を抑える」と回答した。「登録はしたが、あまり使わない(登録するが、あまり使わない予定)」が34.4%、「登録したが、退会する可能性が高い(一度登録するが、退会する可能性が高い)」も5.2%あり、約4割の学生が積極的には利用しないと答えた。

リクナビの利用を見直す理由としては「個人情報の流出が心配」(東京の男子学生)、「またどういうデータが流出するか分からないから」(大阪の男子学生)など個人情報の扱いを問題視する意見が目立った。