私30代、独立で変わった タニタ働き方改革のリアルタニタ流「働き方改革」(3)

坪田将知さん(31) デザイン部
採用枠の少ないデザイン部に12年ぶりの新人として入社しただけに、独立の決断は周囲を驚かせた。活性化プロジェクトメンバーの中で現状では最年少。

――新制度の2期メンバーとして2018年に独立しました。

「父親もフリーランスのインテリアデザイナーで、その苦労を見てきたので、躊躇(ちゅうちょ)する気持ちがありました。一方で、独立すれば社外の仕事も請けられて、報酬も得られる点は魅力的だなと。実はこれまでも社外の人からデザインを依頼されることがありましたが、報酬を受け取ってしまうと会社が禁止している『副業』になってしまうので、無報酬でやるしかありませんでした。独立すればそういう問題も解決できるかなと」

すごく意識が変わった

「1年目は様子見をしていたのですが、独立したメンバーを見ていて、すごく『回ってるなあ』と感じました。社員だった頃より仕事の幅を広げているなと。特に将来やりたい仕事についてポジティブな話ができるようになりました。社員だとどうしても『社内で』という前提つきになりますが、社内か社外か関係なく、こういう仕事が面白そうだからいまから手を出しておきたいとか、そういう話ができたことで、僕自身すごく意識が変わったと思います」

――では2期目に手を上げたのは、躊躇(ちゅうちょ)なく。

「いえ、やはり状況が変わることに対する不安はありましたし、退職届を出すことにはすごく恐怖心がありました。実際、出してしまえばなんてことはないのですが、出すまでは怖かったしドキドキしました」

坪田将知さん

――仕事の仕方や時間感覚は変わりましたか。

「仕事が長時間になっても残業代は出ないとか、タイムカードの打刻がないとか、そういう違いはありますが、基本的にはこれまでと同じような時間に出社し、午後5時半には終わるようにしています。残業という概念がないので、これまで以上に効率的に仕事を進めるようになったのは確かです」

「社外の仕事を請けるようにもなりました。個人事業主になったと周囲に宣言したことで『これからは頼めるんだね』と認識してもらったことが大きいです。名刺のデザインやイベントのグラフィック関係の仕事などを請けています」

自分に制限をかけずに自由に発想

――タニタ以外の仕事を増やしていく予定ですか。

「個人としてやりたいことがたくさんあります。どうしても社内の仕事だと体重計や体組成計、タイマーなどを扱うことが多く、偏りが出てしまうので、自分のデザインの幅を広げるためには、社外の仕事も積極的にやっていくつもりです。街中の看板デザインなどもやってみたいですね。友達と、街を作れたら面白いねとよく話をしているんです」

「社員だと『街を作る』なんて現実味がないですし、仮にそういう発想が浮かんでも自分で『無理だな』と潰してしまうでしょう。でも独立したことで、自分に制限をかけずに自由に発想して、夢に向かって自分で準備できているので、すごくワクワクします。周囲にクリエイティブ関係の友だちも多いので、その人たちと面白いプロジェクトをやろうと盛り上がることも増えました」

(ライター 石臥薫子)

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タニタの働き方革命

著者 :
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,650円 (税込み)

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