私30代、独立で変わった タニタ働き方改革のリアルタニタ流「働き方改革」(3)

松ヶ瀬浩武さん(34) ブランド総合本部デジタルマーケティング推進部
タニタ本社のウェブ事業の企画・運営を担当。独立したメンバーで構成する互助組織「タニタ共栄会」の運営委員として、タニタ本社との折衝やメンバーとの調整役も担う。

――独立を決心した理由は。

「主に2つありました。一つは待遇面について、ちょっと不満があったんです。当時はほぼ1人で事業を担当し、それなりに成果をあげて評価もしてもらっていたのですが、給与の上がり方は数%にとどまっていました。それは会社の制度上、仕方のないことではあるのですが、もし独立することで成果に見合った収入増が期待できるのなら、チャレンジしてみようと思いました。もう一つはいろいろとノウハウも積み上がって、若干仕事に飽きていたので、何かしら変化を求める気持ちもありました」

その都度、営業活動が必要に

――実際、待遇はよくなりましたか。

「もちろん税務上のメリットなどを含めると報酬は増えたと思います。ただちょっと想定外だったのは、成果に見合った報酬分というのは『追加報酬』という形になるのですが、この部分を得るにはその都度、営業活動が必要になるということです」

「自営業なら当たり前なのですが、業務に対して見積もりを作り、発注を受けるというやり取りが必須になります。場合によっては追加業務ではなく通常業務という扱いになることもあるので、この線引きや交渉が面倒だと感じるときがあります」

松ヶ瀬浩武さん

「この制度の受け止め方は部署や人によってまちまちで、追加業務に対する反応が大きく異なります。交渉相手も基本的にはタニタ社内の人なので、『なぜ身内なのにお金を取られるの』という感覚があるようで、交渉が難航する場合があります。そのため、最近は実施する業務の価値を理解してもらえるように、世間相場などを提示しながら交渉するようにしています」

独立メンバーで知恵を出し合い解決めざす

――独立したメンバーが加盟する互助組織の「タニタ共栄会」で責任者をしていますが、現状で課題になっていることは。

「実はそんなにないというのが正直なところです。まだ『家を買おうとしたけど住宅ローンが借りられなかった』といった実例が出てきていないですし。特に1期目に独立したメンバーは性格的にもチャレンジ精神が旺盛というか、あまり細かいことを気にしない人たちなので、自己解決してしまっているのかもしれません。これからメンバーが増えてきた段階で問題が生じれば、みんなで知恵を出し合って解決していきたいと思っています」

「ただ、現時点で個人的には、女性社員でこれから妊娠・出産を希望している人に対しては、今すぐ独立するのはお勧めしません。現状では社員でないと産休や育休など制度上のメリットを享受できませんから。ただ、子どもがある程度大きくなっている場合は、独立によって時間の融通が利くようになるのでいいと思います」

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