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レジ脇に設置した平台によく目立つタワー積みをして展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

レジ脇に設置した平台によく目立つタワー積みをして展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店だ。訪れた日は9月初めから進めていた改装工事が終わり、リニューアルした初日だった。ビジネス書売り場もようやくまとまった場所に腰を据え、売り上げ増への期待がかかる。そんな中、書店員が注目するのは、先行発売をきっかけに勢いのある売れ行きが続いている経営学の入門書だった。

経営者が学ぶべきこととは

その本は三谷宏治『新しい経営学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。著者の三谷氏はボストンコンサルティンググループやアクセンチュアで戦略コンサルタントとして活躍したあと、教育界に転身したと本の略歴は記す。現在はK.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院教授として戦略思考などを教えるほか、子供から保護者、教員など様々な対象に向けた教育・講演活動を展開している。2013年刊の『経営戦略全史』、14年刊の『ビジネスモデル全史』など、ビジネス書の世界でも話題の本を連発している。

この本はその著者が、ビジネス初学者に向けて書いた経営学入門書だ。経営学とは経営者が学ぶべきことの集合体だと著者は言う。しかし、そのあまりの幅広さゆえにわかりやすい基礎というものが存在しない。そこで、全社レベルではなく、事業レベルのテーマを中心に据え、ビジネスの目的別に解説を加え、事例練習を多く組み込むことで理解を深めるという方針のもと、この入門書を編んだ。

豊富なビジネスストーリー

要は「事業ひとつをちゃんと回せるようになりましょう」というのが、本書の提供する知識体系だ。全体は大きく4章で構成されている。ビジネスの目的別の構成で、「ターゲット」「バリュー」「ケイパビリティ」「収益モデル」の4つだ。すなわち誰を狙うのか、提供価値は何か、どうやって価値を提供するか、どうお金を回すか、というビジネスに不可欠な4つの要素を順序立てて学んでいく構成だ。この4つ以外にも事業目標など3つの要素について別に1章を設け、さらに補章でミクロ経済学やこの100年の経営理論の変遷を概観している。

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