ツイードのジャケットは、大人の秋冬スタイルに欠かせないアイテム。季節に相応しい温もり感を演出できるだけでなく、そのラギッドなニュアンスが男のたくましさや包容力を漂わせてくれるのもいい。着れば着るほど味わいが高まっていくのも魅力だ。
とはいえ、ツイードは元々英国カントリーサイドの粗野な防寒服地ゆえ、ときにその人を野暮ったく、枯れた印象に見せる。それを避けるにはシルエットや仕立てが現代的なものを選ぶことも大切だが、実は最も有効なのは“色”にこだわってコーデすることだ。
一番簡単なのは綺麗な色合いのアイテムを差し色として取り入れ、カントリーテイストを中和させること。下の「ブラウンツイード」ようにそれがジャケットの柄色と微妙にリンクしていれば、なお洗練された雰囲気に。また「レッドツイード」のようにツイードそのものを明るい色とするのもいい。派手に感じるかもしれないが、その他を黒一色とすればシックにまとまり、モダンな艶気すら漂う。ツイードを若々しく着用するこの2つのテクニック、ぜひ覚えておこう。
【ブラウンツイード】BROWN Tweed Jacket
■DALCUORE(ダルクォーレ)
大きなラペルがクラシックなムードを高める一着。こちらはナポリの伝統である“身体に馴染む仕立て”を身上とする名サルトのパターンオーダー。ツイードらしい味わいを保ちつつも、比較的ライトウエイトな生地を採用したこともあり、快適な着用感を叶えた。 33万円(ブライスランズ&コー)
【 レッドツイード 】RED Tweed Jacket
■ERNESTO(エルネスト)
パルマの実力派ファクトリーを母体とするエルネストは美しい発色や個性的な色柄のジャケットに定評あり。今作もその持ち味を存分に活かし、ネップの浮かぶ赤ベースに黒のヘリンボーンを配した新鮮なツイードを提案。一枚仕立てにより驚くほど軽いのも魅力だ。 12万6000円(バインド ピーアール)
※表示価格は税抜きです。
撮影=野口貴司(San・Drago)、若林武志、仁木岳彦、鈴木泰之、伏見早織、武蔵俊介 スタイリング=四方敬章、武内雅英(CODE)、宮崎 司(CODE) ヘアメイク=松本 順(辻事務所) 構成・文=小曽根広光 文=吉田 巌(十万馬力)、秦 大輔、礒村真介
[MEN’S EX 2019年10月号の記事を再構成]