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クー・マーケティング・カンパニー代表 音部大輔氏

クー・マーケティング・カンパニー代表 音部大輔氏

小売業ではアマゾンを筆頭にeコマースが席巻し、マーケティングの世界でもデータ分析に基づく広告配信などデジタル化の動きが加速する。一方、消費者は現地での体験や感動といったリアル感を求める気持ちも根強い。マーケターはデジタル化とどう向き合えばいいのか。ブランドマネジメントやマーケティング戦略の立案を手がけるクー・マーケティング・カンパニー(東京・渋谷)の音部大輔代表に、最近のマーケティングの潮流と、今後デジタル化でマーケティングがどう変わっていくかを聞いた。

◇  ◇  ◇

――マーケティングはどう変わってきているととらえていますか。

「そもそもマーケティングって何、という定義が不明確なまま使われてきた印象があります。日本マーケティング協会(JMA)では『企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動』としていて、私はこれが狭義の意味でマーケティングを表すと思います」

「では、市場創造につながるマーケティングとは何でしょう。私は『いい○○(商品やサービスなど)』を、その時代のニーズにふさわしい形で、最新技術を使ってタイミング良く提案することがマーケティングだと考えています。『いいクルマ』や『いい洗剤』、『いい病院』を提供する活動ですね。ただ、『いい』の中身は人によって違います。例えば『いいクルマ』というのは、格好良いとか、燃費が良く環境に優しいとか、小回りが利いて使い勝手がいいとか、様々です」

時代に合った「いい○○」を提案する

「この『いい○○』が何か、を定義するのがマーケティングだ、というのはどの時代でも一緒のはずです。ただ、デジタル化が進んで、映像や情報などのデータを配信しやすくなったので、マーケティングが変わってきたように見えるのかもしれません」

――デジタル化で何が変わったのでしょう。

「例えばデジタル技術をイベントと組み合わせよう、という動きがここ数年、強まっています。デジタル化でデータをとれるようになったメリットとして、単に参加者の属性を集めるといった単純なものでなく、カメラで参加人数を瞬時に把握したり、イベント内のセミナーごとの人の集まり具合などを把握しやすくなったりといった変化が生じています」

「さらに、会場でスマホのアプリでアンケートをとったり、双方向で意見をやり取りしたりできるようになっています。ライブ動画を中継することで、会場にいる観客以外の視聴者向けにも発信するなど、量もカバーできます。ツールとしてのイベントの使い方の幅が広がったのです。またイベントは時間の流れにそって進行するので、マーケターとしては設計や演出がしやすく、不安が少ないという側面もあります」

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