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退職金のもらい方 損得はどう判断?一時金と年金方式 退職マネー学(上)

2019/10/6

幸子 ファイナンシャルプランナー仲間の深田晶恵さんの試算を紹介するわ。大卒後、59歳までの38年間働いた場合の退職金が1800万円で、受け取り方は(1)全額を一時金(2)全額を期間10年の年金(給付利率2%)(3)一時金と期間10年の年金で半分ずつ――の3つの方法から選べるという前提よ。退職金のほかに、64歳までは再雇用で働いて年350万円の給与(合計1750万円)を、65歳から69歳は公的年金を年220万円(合計1100万円)受け取ると仮定するわ。

 計算すると全部の合計は4650万円ね。

幸子 そう。退職金を全額一時金で受け取る場合の額面の合計額もそうなるわ。でも、退職金を全部年金で受け取るなら、運用益の分だけ金額が増えて10年合計で1990万円になるの。給与と公的年金は変わらないから、全部足せば額面では4840万円に増えるわ。

良男 190万円も増えるのか。やっぱり年金方式でもらう方がお得じゃないか。

幸子 これはあくまで額面よ。税金と社会保険料を引いた手取りの金額でみると、退職金を全額一時金でもらう(1)の場合は4180万円なのに、全額年金でもらう(2)の場合は4065万円と逆転してしまうの。

 どうしてそうなるの?

幸子 税金の仕組みから説明するわ。一時金でもらえば税金は「退職所得」という扱いよ。退職所得控除という非課税枠が勤続20年まで年40万円、21年目からは年70万円ずつ積みあがっていくの。38年間勤めた場合だと2060万円まで非課税ね。超えた場合も課税対象になる金額を半分にする仕組みよ。

良男 今回の前提では退職金は1800万円だから全額非課税になるわけか。

幸子 そう。一方で退職金を年金方式で受け取ると、公的年金などと同様に「雑所得」となるの。公的年金等控除が適用されるから60歳代前半は年間で70万円、60歳代後半は120万円までは非課税よ。試算の場合、全額を年金でもらう場合の税負担は、全額一時金に比べて200万円程度も増えるの。

 社会保険料も違ってくるのよね。

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