夫がコンビニのものばかり食べる
脚本家、中園ミホさん
夫がコンビニエンスストアの食べ物ばかり食べて困っています。夕食は私の手料理を食べますが、朝食は前日の帰宅途中にコンビニで買ってきた別メニューです。昼食も職場でコンビニのものを食べています。不経済で健康にも悪いからやめてほしいと注意しますが、ほかにタバコもギャンブルもやっていないので、これくらい好きにさせてくれと言われます。(宮城県・40代・女性)
◇
相談者さんがつくるお料理はきっと、健康志向で薄味なのではないでしょうか。油っぽい献立を少なくしたり減塩したりしているので、夫はコンビニの空揚げなどを食べたくなるのだと思います。
私も年を重ねて、若い頃より食事で健康に気を使うようになりました。それでもハンバーガー店のフライドポテトを無性に食べたくなることがあります。自宅でまねて作ってみたのですが、これが全然おいしくない。息子は見向きもしないし、自分でも「なんだ、これは?」という代物になります。健康なフライドポテトはおいしくないのです。
ファストフードやコンビニはおいしいものを追求しているので、中毒性があります。あるコンビニの赤飯おにぎりは塩味がきいていておいしいと聞き、試しに食べてみました。そうしたらはまってしまって、お店の前を通るたびにその味が頭に浮かぶのです。この誘惑は、やばいと思いました。
相談者さんの夫や私のように、わかっちゃいるけどやめられないタイプはどうしたらいいのか。残念ながら私には答えがありません。
たまにはコンビニをまねて、濃いめの味付けにしたらどうでしょうか。いやいや、相談者さんは絶対に許せないと思います。反対に、夫の好きにさせてあげればいいのでしょうか。これも塩分の取り過ぎなどで健康を害する可能性があって、おすすめできません。
いっそのこと相談者さんが作った料理に、夫が塩やおしょうゆを少しだけ足していいことにしてはどうでしょうか。多すぎたら、その場でたしなめる。そうやって相談者さんの料理の味に、夫の舌を慣らしていくのです。
私も健康志向の友達と料理を持ち寄って食べるとき、同じことをして叱られます。うるさいなあと思いますが、同じテーブルで同じ料理をいただく楽しさには変えられません。結局のところ、私たちは体にいいものと、体に悪くても食べたいものの間で、バランスをとっていかなければならないのです。体を壊して食べられなくなってからでは遅いのよ! これも私が友達によくいわれる小言です。
[NIKKEIプラス1 2019年10月5日付]
NIKKEIプラス1の「なやみのとびら」は毎週木曜日に掲載します。これまでの記事は、こちらからご覧ください。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。