二番煎じは恥じゃない 僕の成功法則は「改良者」流カルビー元会長 松本晃氏

僕らが「ディバイス」と呼んでいた消耗品のほうも、売れそうなものとそうでないものがありました。見分けるのはそんなに難しくなかった。日本で何が売れているかを調べたんです。ただそれだけ。簡単なことです。

当時、日本の医療機器業界でもうかっている会社は3社しかありませんでした。共通点を探すと、どこも循環器系か整形外科の機械を扱っていた。しかも使い捨てか、体の中に入れて使うもので、なおかつ輸入品でした。それでセンチュリーメディカルでも同じようなものを米国で探し、輸入することにしました。

「必ず売れる」胸に 壁に挑む

つまり二番煎じです。二番煎じを嫌がる人もいますが、僕は全然気にしません。米アップルのスティーブ・ジョブズが多機能携帯端末(タブレット)のiPad(アイパッド)をつくったとき、韓国のサムスン電子がすぐ後を追った。それでも誰も文句を言いませんでした。僕は、なんでこんな面白い物を日本のメーカーはまねしないのかと思いました。特許などの問題があったのかもしれませんが、同じような物を作ればよかった。この国は昔から、テレビでもラジオでも洗濯機でも、みんな米国の「まね」をして生きてきたんです。二番煎じは、ちっとも恥ずかしいことじゃありません。

僕は結局、イノベーター(革新者)でなく、リノベーター(改良者)なんです。イノベーションは、昔も今もできない。誰かが最初にやって成功したのをアレンジして自分もやる。自動車のハンドルを右から左に付け替えるようなものです。そういうのが得意なんですよ。

そういう視点でみると、センチュリーメディカルが扱っていた商品の中にも売れそうなのが1つだけありました。外科手術で切開したところを最後に縫い合わせるのに使う自動縫合機です。当時、米国ではかなり普及していましたが、日本ではほとんど見かけませんでした。米国の患者にとってよいものは、日本の患者にとってもよいはずだから、絶対いけると思いました。

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