訪日客で過熱する浅草のラーメンシーン 注目の3店は

「麺処 若武者ASAKUSA」の「会津山塩物語」
「麺処 若武者ASAKUSA」の「会津山塩物語」

今年に入ってから、浅草のラーメンシーンが過熱している。同地は年々、訪日観光客が増加の一途をたどる、外国人からの人気が高い観光地。特に東部エリアは東京スカイツリーへ徒歩で行き来できるロケーションであり、国内からも観光客が絶え間なく訪れる。このような浅草に、いち早く目を付けたラーメン職人たちが今、続々と店舗を構え始めているのだ。今回は浅草のラーメンシーンを彩る3軒の新進気鋭を紹介しよう。

麺処 若武者ASAKUSA~FUKUSHIMA NOODLE STYLE~

<福島ラーメン界の超人気店による本場仕込みの「山塩ラーメン」>

まず最初に紹介するのは、「麺処若武者ASAKUSA」。今年7月8日にグランドオープンした同店は福島県二本松市の超人気店「麺処若武者」の2号店。より正確には、「若武者」が埼玉県草加市にオープンさせた分店(『麺処若武者草加分店東北六縣堂』)が移転し、都内へと進出してきたもの。

店舗の場所はつくばエクスプレス浅草駅から徒歩2分程度。国際通りを挟んで向かい側は、「浅草公園六区」と呼ばれる繁華街で、大規模商業施設も林立する人口集積地だ。

同店では、浅草への移転を機にメニューを大幅に見直した。新たに、福島県内の系列店で提供している「会津山塩物語」(会津のご当地麺:会津山塩ラーメン)を看板メニューへと抜てき。「日本を代表する観光地・浅草でラーメンを提供するのだから、『若武者』の地元・福島の息吹が感じられるご当地麺を提供したいと思いまして」(店主・山本氏)

浅草公園六区が通りを挟んで向かい側にある

同メニューのスープはコク深い動物系だしを土台に、ホタテ・ハマグリ・アサリなど6種類の貝から丁寧に採っただしと、甘み豊かな山塩を合わせたもの。

現状でも十分過ぎるほどハイレベルな仕上がりを誇るが、店主・山本氏は「動物系だしの合わせ方をどのようにしていくのか。どの程度の動物系だしをミックスさせれば、バランス良く仕上がるのか。これからも試行錯誤を重ね、絶妙な落としどころを見つけられれば」と、さらなる改善を図る気満々だ。

のど元をじわりと潤すうま味のやわらかさに、思わず忘我の境地に陥ってしまった。これまでは会津まで足を運ばなければ食べることができなかった「会津山塩ラーメン」が、浅草で味わえる。知っておいて、決して損はしないだろう。