どうする転職時の企業年金 手続き忘れは目減りリスク

確定拠出年金の加入者は6月末で合計719万人とやはり多い。図Aにあるように、転職先にも確定拠出年金があれば資産を移せる。年金制度がなければ、イデコへの移し替えが選択肢になる。

移し替えの手続きは怠らないようにしよう。手続きをせずに6カ月がたつと年金資産は自動的に国民年金基金連合会(国基連)に移されるからだ。これを自動移換といい、資産は運用されず現金で管理される。しかもさまざまな手数料が資産から引かれる(図B)。

さらに国基連への移換後は確定拠出年金の加入期間として算入されず、制度上の受給可能年齢が遅くなることもありうる。こうした「自動移換者」の数は6月時点で81万人に増えた。

人によっては資産をイデコへ移したものの、新たな掛け金を出さないということもある。元の資産を運用するだけの「運用指図者」になると、資産を積み上げられず、掛け金拠出に伴う節税効果も得られない。

自動移換者や運用指図者は「DC難民」とも呼ばれ、資産を増やすうえで得策ではない(図C)。厚生労働省は2018年の制度改正で、記録管理機関が本人と照合できれば元のDCから転職先のDCに自動で資産を移せるようにした。ただ「確実ではないため自分で手続きすることが大事だ」(山崎氏)という。

確定拠出年金教育協会の大江加代氏は「大企業の事業再編や人手不足で転職の機会は今後増える」と話す。大転職時代を前に改めて年金制度の確認が必要となりそうだ。

(成瀬美和)

[日本経済新聞朝刊2019年9月28日付]

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