消費税10%と老後生活費 長期の資産形成で備え必須家計再生コンサルタント 横山光昭

写真はイメージ=PIXTA
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10月1日から消費税の税率が10%になりました。飲食料品などには軽減税率が適用され、税率は8%のままですが、それ以外の日用品や外食、光熱費などは10%になります。キャッシュレス決済によるポイント還元制度も導入されますが、それでも家計にとっての負担は増えることになるでしょう。年収600万円程度の「2人以上勤労者世帯」で、年4万円程度の負担増といわれています。今回は、消費税10%時代の家計をどのようにやり繰りし、将来に向けて貯蓄を進めていくのか考えてみたいと思います。

■「年金だけで暮らせない」からこそ、早めの対策を

令和に元号が変わってから、「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』」(金融庁)、5年に一度出される「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」(厚生労働省)、3年に一度出される「生活保障に関する調査」(生命保険文化センター)など、老後にまつわるお金のデータに触れる機会が多かったように思います。

これらのデータの中でも、金融審報告書の「老後の生活費に必要な金額」は、私たちに「老後資金が2000万円不足する」という状況を突きつけるものになりました。しかも、財政検証で提示された「所得代替率」という、現役世代の手取り収入に対して受給できる公的年金の割合が、将来的に50%になるという話を聞くと、「やはり年金は減るのではないか」という不安を持った人も多かったのではないでしょうか。

正直、年金だけでは暮らせないといわれている今、年金受給額に毎月数万円を補填することが必要な人たちが多いです。その補填額を30年分、35年分用意すると、簡単に2000万円、3000万円という計算になってしまいます。また、年金の財源が足りないといわれている中ですから、年金受給額が増えることは期待できないでしょう。たとえ今を維持できたとしても、経済はゆっくり成長します。お金の価値が低下してしまえば、受給額が同じでもその金額の意味は今よりも少なくなってしまう可能性があるのです。

将来的なことを確実に予言することは不可能です。ですから、ある程度の予測を聞くと、不安な気持ちになってしまうのですが、そういう今だからこそ、対策をきちんと考えるべきだろうと思っています。

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