一緒にやってくれないの let'sに隠された命令の意味デイビッド・セイン「間違えやすい英語・聞き手編」(17)let

【日本人の心の中】
let'sというのはlet usってことで、「私たちで~しましょう」という呼びかけだよね。Let's do it by tonight.は「私たちみんなで今夜までにやりましょう」って誘いだから、きっと上司も一緒にこの仕事を手伝ってくれるつもりなのだと思う。よかった、それなら助かる。

このように考えたユウカは、上司がどの部分の作業に取り組んでくれるのかを同僚のスティーブに聞いたのでした。ところが、実際にはこのLet's do it by tonight.には、上司が手伝うという含みはありませんでしたので、2人の会話がかみ合わずに、お互いに驚く羽目になったのです。

たしかにLet's...という表現は、文字どおりには「~しよう」という誘いや提案ですが、上司が部下に対して命じるときの婉曲表現としても使われるのです。とりわけ、このように誰かの言葉として引用されるときには、「~してください」という命令を柔らかく伝えた言い方になります。

A: Jim said, "Let's turn this report in by three." 「この報告書を3時までに提出してください」ってジムが言ってました。

B: Okay, I'm almost finished. 了解です。ほとんどできています。

この場合、Let's...と言っても、決して「私たちで一緒に提出(turn in)しよう」と呼びかけているわけではなく、「あなたが提出しましょう」と、事実上の業務命令を優しく伝えています。部下に何かを頼むとき、命令文にただpleaseを付ければよいと思っている日本人も多いかもしれませんが、面と向かってPlease...(~してください)と言うと、けっこうぞんざいな物言いに聞こえます。Could you…?(~していただけますか?)ならていねいで無難な万能表現になりますが、もっと軽く言うとしたらLet's...(あなたが~しましょう)です。

さて、let'sの中の動詞letは「~させる」ですが、次にこれについての使い方を見ていきます。

さらに掘り下げたいletとその関連表現

A: I think Bryan is really angry. ブライアンはとても怒っていると思う。

 B: Let him alone for a little bit. しばらくそっとしておこう。

*let someone alone:人を放っておく。letは「何かを~の状態にさせる」という使い方ができますので、let someone aloneなら「誰かを一人の状態にさせておく」、つまり「人にかまわないでおく」の意味になります。また、「人」の代わりに「物」を対象としたlet something aloneの場合でしたら、「物に触らないでおく」です。

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