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食べ飽きしない優しい味わいの広東料理 東京・神楽坂

2019/10/7
「釜焼きチャーシュー」は下味をつけた豚肩ロースを香港製のチャーシュー釜で焼き、水あめとからめる
「釜焼きチャーシュー」は下味をつけた豚肩ロースを香港製のチャーシュー釜で焼き、水あめとからめる

東京・神楽坂。50以上の飲食店が軒を連ねる本多横丁に、2018年12月14日にお目見えしたのが「香港名菜 福全徳(フクゼントク)」だ。ここは中国南部の広東省、香港、マカオなどで食される広東料理と、自家製の飲茶を提供する中国料理店。店内は1階から3階までの3フロアで、1階は厨房とカウンター、2階はダイニングフロア、そして3階は2人から利用可能な個室と半個室で構成されている。シンプルで飾らない空間は日常利用から接待、会食などの特別な日まで幅広い使い方ができそうだ。

Summary
1.名店「家全七福酒家」出身のシェフが独立
2.優しい味わいの広東料理は食べ飽きない中国料理
3.ワインや紹興酒とのマリアージュも提案

オーナーシェフの韓凡全(カンハンゼン)さんは中国東部になる山東省の出身。

17歳から料理人の道へ進み、中国国内で経験を積んだ後、2005年に長崎の中国料理店で働き始める。その後、香港や上海などに店を構え、日本でも丸の内や大阪などで展開する香港料理の名店「家全七福酒家(旧福臨門酒家)」の門をたたく。ここで6年10カ月勤務した後、上海、北京、四川など中国全土の料理を扱う千葉・船橋の老舗中国料理店「東魁楼」で学んだ。

「各地の中国料理をひと通り習得した中で、香港などで食べられている広東料理が一番好きだと感じました。例えば上海や東北、四川料理は調味料の味や辛みが強い。一方、広東料理は食材によって味の良しあしが決まるほど、食材の影響を受けやすい。味わいが優しく、食べ飽きしないことも、日本の方には合っていると思います」と韓さんは話す。

料理は「家全七福酒家」の流れをくむ広東料理。その自慢の料理を見ていこう。

前菜の「アイスバインのゼラチン」はお酒のつまみにもぴったり

まずは前菜の「アイスバインのゼラチン」。アイスバイン(塩漬けの豚すね肉)といえばドイツ料理を思い出す人も多いだろう。実は中国でも古くから食べられている料理であり、煮込んで作るドイツの製法とは大きく異なる。

中国のアイスバインは豚の前脚だけのすね肉を使い、塩、ハッカク、ショウガで約1週間漬け込む。塩抜きした後、3~4時間ほどボイル。カットした肉をバットに並べ、上からスープを注ぎ入れて冷やす。スープにはすね肉のゼラチンが溶け込んでいるため、冷やすとスープがゼリー状に。バットに並べることで、半透明のスープと赤みのある肉の層ができる。

ほどよい塩味は前菜や箸休め、酒のつまみとしてぴったり。芳醇(ほうじゅん)な香りとキリッとした酸味のある黒酢とあわせると、引き締まった味わいに変化する。

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