そこでとりあげたいのは「公平」という視点です。

たとえばあなたは次のような人事を公平だと思うでしょうか。

【ケースA】
山田さん:年間売り上げ1億円達成 → 賞与150万円支給
田中さん:年間売り上げ1億円達成 → 賞与150万円支給

3秒ほど考えてみてください。このような人事は公平ですか?

次に情報を少し増やしてみましょう。

【ケースB】
山田さん 24才 月給30万円:年間売り上げ1億円達成 → 賞与5カ月分(150万円)支給
田中さん 50才 月給50万円:年間売り上げ1億円達成 → 賞与3カ月分(150万円)支給

こちらは10秒ほど考えてみてください。このような人事は公平ですか?

さらに情報を増やしてみましょう。

【ケースC】
山田さん 24才 月給30万円 昨年は売り上げ5000万円。MBA取得のために勉強しながら自己研鑽を進めている。その結果として年間売り上げ1億円達成 → 賞与150万円支給
田中さん 50才 月給50万円 過去には売り上げ3億円達成の経歴もあるが近年は気力の衰えかやる気を失っている。既存顧客のみで年間売り上げ1億円達成 → 賞与150万円支給

ややこしくなったので、30秒ほど考えてみましょう。このような人事は公平ですか?

公平という不思議な言葉

ケースAであなたは、(まあそういう答えを求めているんだろうなと思いつつも)公平だと答えられたことでしょう。けれどもケースBに対する回答は、人によって異なります。あなたの答えは一般的ではない点に注意してください。

私は実際の人事制度構築の場でも、このような設問を問いかけます。すると「当初は」みなさんこの結果に対して公平だ、と答えます。しかしあらためて「20代と50代が同じ成果を出したら同じ賞与でいいですか?」と聞くと、ほとんどの方が腕を組んでうなります。

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公平さの基準は「損」をしているかどうか
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