日経Gooday

正解は、(1)イライラなどの敵意性が減るです。

イラッとしがちな人こそ、サバ缶を

今、日本で最も多く生産されているのは、ツナ缶ではなくサバ缶だということをご存じでしょうか。サバ缶の食材としての魅力の一つは、皮も身も骨も血合いも脂分も、丸ごといただけるということです。

「缶詰に加工する際に、圧力をかける処理を加えることによって、軟らかくなった骨ごと食べることができる。これは、刺し身や焼き魚にはない利点です。皮の周囲にはコラーゲンもたっぷりと含まれています」と早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構の矢澤一良さんは説明します。

サバ缶には、DHA(ドコサヘキサエン酸)もたっぷり含まれています。順天堂大学医学部の小林弘幸さんは、「DHAは脳神経細胞の働きを高めますが、反対にDHAが減少すると、神経を安定させたりリラックスに導いたりする脳内神経伝達物質、セロトニンが減少します」と話します。

日本人を対象とした研究では、DHAを継続して摂取することによって敵意性が減るという結果も出ています(下図)。また、海外で約15万人を対象にした複数の研究を解析した結果、「魚の摂取頻度が高いほど、うつ病リスクが低下する」という報告もあります[注1]

進級試験または卒業試験を控え、精神的に追い込まれた状況の19~30歳の学生41人を、DHAカプセル摂取群(1日1.5~1.8g)、大豆油主体のプラセボ摂取群に分け、3カ月間投与した。投与開始時と終了後に情動などを調べる試験を行った結果、敵意性スコアは、プラセボ投与群では顕著に上昇したが、一方、DHA群では低下傾向を示し、両群間の変化に有意差が認められた。(データ:精神経誌;111巻12号,1520-26,)

「脳の神経細胞にはDHAが多く含まれており、神経ネットワークであるシナプスには特にDHAが多い。DHAによって脳機能が正常に働くようになるために、ストレスコントロールがうまくいくのでは、と考えています。DHAは脳を健康にする“ブレインフード”であるとともに、情緒的な面をコントロールする“ムードフード”としても注目されていくでしょう」と矢澤さんは解説します。

[注1]J.Epidemiol Community Health:70(3),299-304,2016.

(日経Gooday)

[日経Gooday2019年9月24日付記事を再構成]

医療・健康に関する確かな情報をお届けする有料会員制WEBマガジン!

『日経Gooday』(日本経済新聞社、日経BP社)は、医療・健康に関する確かな情報を「WEBマガジン」でお届けするほか、電話1本で体の不安にお答えする「電話相談24」や信頼できる名医・専門家をご紹介するサービス「ベストドクターズ(R)」も提供。無料でお読みいただける記事やコラムもたくさんご用意しております!ぜひ、お気軽にサイトにお越しください。


ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント