遠隔で声がけや家電操作も 介護にも便利なIT機器
筆者には、近所に一人暮らしをしている母がいる。高齢ゆえ、ある程度の介護が必要なのだが、その見守りに以前から活用しているのがウェブカメラなどのIT(情報技術)機器だ。
キッチン周りの見守り目的でカメラを増やしたところ、母がご飯に洗剤を掛けるのを目撃。慌てて駆けつけ、難を逃れた。トイレから出てこない母を心配して行ってみたら、トイレを詰まらせて水浸し、なんてこともあった。
こうした機器は、母を担当するケアマネージャーと相談しながら設置している。もちろん、カメラの前に母がいるとは限らないし、筆者が24時間見守れるわけでもない。ただしカメラを置くことで、事態をできるだけ早めに収拾、もしくは先回りして対応できる可能性は高くなる。
意外と活躍するのが、ラトックシステムのスマート家電リモコン。スマホを使い、筆者の自宅や外から母の家のテレビを操作できる。これにより、母がテレビのボリュームを上げすぎてしまう、リモコンをやたらと押して操作を見失う、つけっぱなしで寝てしまう、などの事態にも対応可能になった。
最近、気分がふさぐことが多い母のために、アマゾンの画面付きスマートスピーカーも導入した。昔の写真をスライドショーで流すようにしたら、気分が明るくなる傾向に。ビデオ通話による声がけも、顔が見えて安心するようだ。著者の訪問時は、筆者のガイドで音楽を聴いたり、アレクサとの会話を楽しんだりもしている。
ITを駆使して、母にはできる限り自宅で楽しく過ごしてもらえるよう、画策している今日このごろだ。
(ライター 青木恵美)
[日経PC21 2019年11月号掲載記事を再構成]
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