変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

東京大学TLOの本田圭子副社長は約5年をかけて弁理士の資格を得た

東京大学TLOの本田圭子副社長は約5年をかけて弁理士の資格を得た

国家資格の中でも難関といわれるのが弁理士だ。東京大学TLO(以下、東大TLO)副社長の本田圭子氏はその弁理士資格を生かしながら、アカデミズムと産業界の橋渡し役を担っている。結婚、子育てもしながら、どのようにして難関の資格試験に挑戦したのだろうか。

<<(上)東大発の特許を後押し 弁理士の女性副社長が奮闘

東大TLOでは、学内の研究室に担当者をはりつけ、特許につながりそうな発明があればすぐに情報が入る仕組みを構築している。特許関係でわからないことがあれば、TLOに相談が持ち込まれる。

「大学の研究者ばかりではなく、企業から『新規事業としてこんなことを考えているのですが』という相談が舞い込むこともあります。私たちしか知らない研究成果もありますので、要望に合った技術があれば企業に紹介し、橋渡しするようなこともしています」

企業・研究者の双方から相談を受け付ける仕組みを、東大TLOでは「ワンストップサービス」と呼んでいる。企業から「こんな研究をしている先生はいませんか」と問い合わせが入ることもあれば、大学の研究者から「こんな発明をしたのだけれど、どんな企業が興味を持ってくれそうか」と相談されることもある。

難関の弁理士 受験勉強は夜間に

アカデミズムと企業を橋渡しするうえで鍵を握るのが、本田氏の持つ弁理士資格だ。弁理士は特許のほか、実用新案や意匠、商標などの知的財産を扱う。国家資格の中でも難関の一つといわれ、本田氏が受験し始めた頃は、1年間に100人程度しか合格者が出ないほどだった。「最近は合格者数も上向き傾向にありますが、それでも国家資格の難易度は高く、合格率は10%に満たないくらいです」

ポスドク(博士研究員)を経て、1995年、特許事務所に入所したばかりの頃は弁理士資格を取ろうとまでは思っていなかった。「入所して1年もしないうちに資格を持っていたほうが仕事をしやすいのを感じ、一念発起で勉強を始めました」

定時までは通常業務をこなし、夜間は弁理士の資格を取るための予備校に通った。当時はすでに結婚していたが、夫と一緒に夕飯をとったことがないほど、密度の濃い毎日だったという。「日中は仕事、夜は受験勉強、週末に溜まった家事をして、という感じで過ごしていました」

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック