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第2外国語のひとつ、ドイツ語の授業。大学でも教鞭(きょうべん)を執る先生が教える=武蔵高等学校中学校提供

第2外国語のひとつ、ドイツ語の授業。大学でも教鞭(きょうべん)を執る先生が教える=武蔵高等学校中学校提供

進学校の強さの秘密は「勉強」だけにあるのではない。学校の伝統や校風、生徒の課外活動に注目するこのシリーズ。武蔵高等学校中学校編の2回目となる今回は、高校生を2カ月間も「海外一人旅」に送り出す国外研修を取り上げる。グローバル化に応じて英語教育に力を入れる学校は多いが、この研修は第2外国語が対象で大学受験にも役立ちそうにない。そんな研修を重視する背景には「自主的な学びこそ面白い」という信念があるようだ。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が迫った。

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17歳、海外2カ月の武者修行

「1人でドイツの地に降り立って、誰に案内されることもなく現地の学校に到着しました。しばらく話をしたのですが、ドイツ語が全然通じなくて、屈辱的でしたねえ」と振り返るのは、武蔵のある卒業生だ。

中学3年生から「第二外国語」でドイツ語を選び、高校の中級・上級クラスで成績優秀と認められて参加した「国外研修」での話である。武蔵には「かわいい子には旅をさせろ」精神全開の「国外研修」の制度がある。

「約2カ月間の研修のうち、約1週間はドイツ国内を1人で自由に旅行するように言われます。鉄道の時刻表などを自分で調べてルートを組んで出かけます」

ドイツ語を3年間学んだといっても週に1回ずつ、実用レベルにはほど遠い。言葉がほとんど通じないなかでの高校生一人旅。なかなか過酷である。

「私は、初日にいきなり乗るバスを間違え、予約していたユースホステルへの到着が遅れました。門は閉まっていて、中には入れません。真冬のドイツで野宿をする羽目になるなんて、夢にも思いませんでした。今となってはいい思い出ですが、本当に心細かった」

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