上場で「見られる」ことを意識 1年毎日違うネクタイヒューリック会長 西浦三郎氏

「ネクタイは年間で同じモノを締めないように約150~160本持っています」と話す西浦三郎氏(東京都中央区のヒューリック本社で)
「ネクタイは年間で同じモノを締めないように約150~160本持っています」と話す西浦三郎氏(東京都中央区のヒューリック本社で)

一身にして二生、三生を経験しているのが不動産大手、ヒューリックの西浦三郎会長(71)だ。みずほ銀行副頭取から転身して非上場企業だったヒューリックを三井不動産など大手3社に次ぐ高収益カンパニーに育て上げ、現在は伝統文化である将棋界のメセナ支援で知られる。多彩な活動を支えるもののひとつに、長年自身に課してきた独自のドレスコードがあったようだ。




■ネクタイ160本、ブランドにこだわりはない

――現在のワードローブにあるスーツを教えて下さい。何着くらいありますか。

「車で移動することが多いので、冬服は着ないようになりました。夏のスーツが8着、春秋ものが8着です。1週間を基本単位として、毎日ローテーションで変えます。同じスーツを着ないことが自分のドレスコードです」

――ネクタイは何本でしょうか。

「これも年間で同じモノを締めないように約150~160本持っています。クールビズの季節を除けば、1年間でネクタイを締める日数は1カ月約20日間×8カ月間で160日前後となる計算です。これに年間10本ほど新しく購入します。自分で選んだり家族に贈られたりです。ブランドにこだわりはありません」

「銀行の副頭取に就いてからネイビー系統のスーツが増えた。どんな緊急の状況にも対応できるから」

――西浦会長には企業の成長計画を綿密に設計する経営者という定評がありますが、ファッションも計画的、実用的ですね。旧陸軍省きっての開明派エリートだった父君・西浦進氏の影響を思わせます。

「父は大学を卒業する前に死去したため『人事は大切だ』という言葉以外には、社会人としての心得は聞けませんでした(笑)。1971年に就職した富士銀行(現・みずほ銀行)での経験がビジネスパーソンとしてのファッションの基本になりました。銀行員はダークスーツに白のワイシャツが定番です。当時は銀行から新人に、1着づつ背広が支給されたりしました」

――1995年に東京・銀座の数寄屋橋支店長に就いたことはひとつの転機になりましたか? 銀座でオーダースーツをあつらえる金融トップは多く、特に銀座英国屋は富士銀行(同)の荒木義朗頭取、第一勧業銀行(同)の村本周三頭取、三井銀行(現・三井住友銀)の小山五郎社長の各氏らがひいきにしていたといいます。

「銀座英国屋は、数寄屋橋支店の主要な取引先でしたね。私もオーダーしました。まだ先代社長が健在のころです。銀座のテーラーにはベテラン職人が何人もいて、1着を1人で仕上げてくれるので、スーツ全体の微妙なバランス調整にも注意が行き届いて抜群でした。決して安くはないが高価なだけの価値はあると思いました」

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