消費増税後でもお得に住宅購入 支援制度を使いこなせ不動産コンサルタント 田中歩

写真はイメージ=PIXTA
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10月1日から消費税率が10%にアップしました。過去2回の消費増税は国内景気に悪影響を及ぼしたといわれており、今回の増税では大盤振る舞いともいえる対策が各所で取られています。住宅の購入に関してもいくつかの対策がありますので、押さえておきたいポイントを整理しました。

個人が売り主の中古住宅は非課税

まず確認しておきたいのは、すべての住宅取得について消費税がかかるわけではないことです。

消費税の課税対象となる住宅は、売り主が主に不動産会社の事業者で、課税されるのも住宅のうち建物部分です。不動産会社が再販する中古リノベーション物件なども課税対象になりますが、大半は不動産会社が分譲する新築住宅が対象となります。

一方、中古住宅の売り主は事業者ではない個人であることがほとんどなので、取引対象となる建物に消費税が課税されることはほとんどありません。このため、今回は増税に直接関係する不動産会社が売り主となる住宅の取得についてお話しします。

ローン控除で「実質マイナス金利」享受

住宅ローン控除はローンの年末残高(新築住宅の場合、4000万円が限度。ただし認定長期優良住宅および認定低炭素住宅の場合は5000万円が限度)の1%相当額が10年間にわたって所得税から差し引かれる制度です(所得税で控除しきれない場合、翌年の住民税から控除されます。このため、所得税と翌年の住民税の合計額が控除の上限額となります)。

例えば、10年間にわたって年末の残高が4000万円以上残るほどのローンを組んでいる場合、合計で400万円分の所得税や住民税が返ってきます。(もちろんこれは一例で、住宅ローンの平均借入額から10年間、繰り上げなしに元利均等返済した場合でも、これほどの残高があるケースは多くはありません)

0.8%の金利で借りられるなら、マイナス0.2%で借りているのとおおむね同じ効果があるといってよいでしょう。10年間は実質的にマイナス金利を享受できる制度です。

11年~13年目、増税分の2%を還元

さらに、今回の消費増税の対策として、11年目から13年目について、以下のうちいずれか少ない金額が各年の所得税および住民税から控除されることになります。

(1)住宅借入金の年末残高等〔上限4000万円が原則〕×1%
(2)(住宅取得等対価の額-消費税額〔上限4000万円が原則〕)×2%÷3

計算式でわかるように、建物に課税される消費税増税分の2%を還元する趣旨です。

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