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JR札幌駅から南に4キロ足らずの札幌市中央区に立つ札幌南高校

JR札幌駅から南に4キロ足らずの札幌市中央区に立つ札幌南高校

北海道随一といわれる進学校なのに卒業式は仮装コスプレがお約束――。札幌市にある北海道立札幌南高校(札南)は懐の深い高校だ。「生徒を縛らない校風が学力も伸ばす」と、広田定憲校長は語る。北の雄、札南の強みと魅力に迫った。

「大学・学問研究」 高1からスタート

札南は1年から「大学・学問研究」という珍しいカリキュラムを組んでいる。「総合的な探究の時間」を使い、大学の特徴や得意な学問分野などを調べて発表するのだ。自分の学力やなりたい職業から計算して進学先を選ぶのではなく、大学・学問そのものの魅力を研究することで学びの意欲を引き出す取り組みだ。

高校に入ったばかりの生徒が大学を明確にイメージするのは難しい。志望校を決めるための情報も足りない。結果的に難易度などのランキングを主な手がかりにするようなことも起こりがちだ。一方、多くの進学校にとって偏差値優先主義からの脱却は大きな課題だ。広田氏は、だからこそ「まず大学と学問そのものを知るところから始める必要がある」と説く。

札南にも、かつては「とりあえず偏差値の高い大学を狙う」という傾向があったそうだが、「近ごろは単純な難関志向よりも、『やりたい学問』を優先する意識が強まってきた」(広田氏)。学校側が教えるのではなく、生徒自身に研究・発表させるという仕掛けも効果を上げているようだ。かつては「関西圏なら京都大学」といった進学先の傾きもみられたが、近年は大阪大学へ進む生徒も増えるなど「生徒の選択が広がっていると感じる」(広田氏)。

札南が独自のキャリア教育として力を入れるのが、「六華(りっか)ゼミ」だ。様々な職種・業態に働く卒業生が、生徒に仕事や学びの軌跡、経験を語る。年に10回程度開いており、2018年には東京大学医学部を卒業し、米ハーバード・ビジネススクールでMBA(経営学修士)を得て、医療ベンチャーを起業した医師・経営者が登壇した。19年には元検事の弁護士や航空宇宙・流体工学の准教授などが生徒に語りかけた。

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