波乱相場に学ぶ資産分散の大切さ バランス型が健闘QUICK資産運用研究所 北澤千秋

結局、これからどんな資産が値上がりするか、値下がりするかはわからないのだから、複数の資産に投資しておくのが無難というわけだ。少なくとも当面は、特定資産だけに資金を集中し、予想が外れたときに大きな損失を被るようなリスクは負うべきではない。

分散効果が生きた低リスクのバランス型

投信で幅広い資産に分散投資するタイプは、低リスクのバランス型だ。低リスクのバランス型は株式の組み入れ比率を多くて3割程度に抑える一方で、国内外の債券を中心にREITやコモディティーなど幅広い資産に投資しているファンドが大半だ。株価の上昇局面ではリターンが限られるため物足りなく感じるが、資産価格が大きく動くようなときには分散効果を発揮して、基準価格の下げは限られることが多い。

実際に足元で運用成績がいいバランス型投信(対象は運用期間5年以上)を抽出してみると、リスク水準が低く、国内外の株式、債券、REITなど複数資産に投資するタイプが大半を占めていた。表に挙げたのはその一部で、いずれも基準価格が8月末時点で過去最高(月次ベース)だったファンドだ。

例えば「スマート・ファイブ」や「ファイン・ブレンド」の組み入れ資産は日本国債が過半を占める。株式は低リスクの高配当株に限定し、比率も1割にとどめている。金とREITに1割前後の資金を投じているのが、この1年の好成績につながった。「ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド(クアトロ)」は、資産の種類と運用戦略が異なる20本前後のマザーファンドに投資しているという、徹底して分散投資にこだわった投信だ。

資金の逃げ場や資産防衛に活用も

こうした低リスクのバランス型は、損失恐怖症のリスク許容度が低い人向きだが、投資環境が不透明なときの資金の逃げ場としても利用できる。自身で分散投資ができれば問題はないが、手間がかかって面倒くさい、それぞれの資産についてどんなファンドを選べばいいかわからない、なじみの薄いREITやコモディティーに投資する踏ん切りがつかないなどというなら、1本のバランス型を買った方が手っ取り早い。

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