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波乱相場に学ぶ資産分散の大切さ バランス型が健闘 QUICK資産運用研究所 北澤千秋

2019/9/25

写真はイメージ=123RF

世界景気の先行きや米欧の金融政策への思惑、そして米中貿易戦争を巡るドタバタなどを背景に、2019年夏の世界の資産価格は大きく変動した。日米の株価は急落後に再び年初来の高値に迫るなど、相場の局面変化もめまぐるしい。こんな波乱相場が残した教訓は、不透明な市場環境で資産運用をするなら、資産分散が欠かせないということだ。足元の投資信託の運用成績を点検すると、いくつもの資産に分散投資する低リスクのバランス型が健闘していた。

■株不振・債券堅調、金、REIT健闘の1年

グラフAは主要分類別にみた投信の1年リターン(8月末時点)だ。世界景気の後退懸念を映して国内外の株式型が振るわなかった一方で、世界的な金利低下を受けて債券型は堅調。さらに、株式市場などからの退避資金の受け皿となった金(ゴールド)連動型と、利回り資産としての評価が高まり資金流入が続いた国内REIT(不動産投資信託)型が大きく値上がりした。

この1年に限れば、株式型から債券型に資金をシフトしたかどうか、さらにはポートフォリオの一部に国内REIT型や金連動型を加えていたかどうかが運用成果を大きく左右した。

もっとも、これはあくまで後講釈。1年前にその後に大きく上昇する資産を的中させるのは、運用のプロでも容易ではなかったはずだ。

不透明感が強いのは足元の市場環境も同じ。緩和に転じた米欧の金融政策を支えに景気後退の時期は後にずれ、株価の上昇は当面続くのか。それとも世界貿易の減退や製造業の業績悪化などを背景に、再び債券優位の展開に転じるのか。相場の先行きは見通しにくい。

こんなとき、資産運用にはどう取り組めばいいのだろうか。結論から言えば、市場環境が不透明なときほど、資産の分散を徹底するのが鉄則だ。

株式相場の先行きを弱気にみて資産からすべて株式型を外せば、思惑とは逆に株価が上昇を続けた場合、その恩恵は受けられない。債券は足元の軟調な相場が気がかりだが、先々の景気悪化に備えた「保険」として保有していたいところ。すでに大きく値上がりした金や国内REITに今から投資していいかどうかの判断も難しい。

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