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日本ワイン戦国時代 最高評価は島根、岩手など新顔もエンジョイ・ワイン(17)

安心院葡萄酒工房の醸造責任者を務める古屋浩二さん

新興産地で高品質のワインが生まれる理由はいくつかある。第1は地球温暖化の影響による栽培条件の変化だ。典型例が北海道。北海道は昔からワインの生産量は多かったものの、寒すぎて高品質のワインは造れないと言われてきた。しかし今や、赤ワイン用ブドウの世界最高品種とも言われるピノ・ノワールから、愛好家垂涎(すいぜん)のワインが造られるようになっている。今年、フランスの名門ワイナリー「ドメーヌ・ド・モンティーユ」が函館市内でピノ・ノワールの栽培を始めるなど、世界的な注目も浴びている。

逆に山梨県は温暖化による気温の上昇や降水量の増加が懸念されている。ブドウは乾燥した気候を好む上、気温が高すぎると高品質ワインに欠かせない酸味の低下を招くためだ。山梨県では現在、温暖化に適応できる新たな甲州種の開発を進めている。

第2の理由はワイン造りに関する知識が体系化され、かつ情報技術などの進歩で、知識の習得が昔に比べて格段に容易になったことだ。一例が、日本ワインコンクールの受賞の常連で愛好家の間で人気の高い、大分県宇佐市のワイナリー「安心院(あじむ)葡萄酒工房」だ。

醸造責任者の古屋浩二さんは2000年、三和酒類が同ワイナリーの開設を決めた時、三和酒類から醸造学で世界的に有名な米カリフォルニア大学デービス校に1年間派遣された。古屋さんはデービス校でワイン醸造の基本を学びながら、カリフォルニア州やオレゴン州のワイナリーで実際に醸造を経験。その時の経験が、今のワイン造りに生かされているという。

日本ワインコンクールの審査委員長で、独立行政法人酒類総合研究所理事長の後藤奈美さんは、「各地のワイナリーがワイナリー同士で勉強会を開くなど、一昔前に比べて情報交換が非常に活発になっている。また様々な輸入ワインを試飲したりコンクールで他社のワインと比較したりする機会が増え、高品質なワインを造ろうというモチベーションも高まっている。それらが、日本ワインの質の底上げにつながっているのではないか」と指摘する。

(ライター 猪瀬聖)


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