グルメクラブ powered by 大人のレストランガイド

食の達人コラム

日本ワイン戦国時代 最高評価は島根、岩手など新顔も エンジョイ・ワイン(17)

2019/9/27

日本ワインコンクールで金賞を受賞したワイン

国産ブドウから造る高品質の「日本ワイン」の人気が高まっているが、その日本ワインの勢力図が大きく塗り替わりつつある。日本各地に新しいワイナリーが続々とオープンし、これまで一般には無名だった島根県や岩手県の評価も、うなぎ登り。日本ワインは山梨県や長野県など一握りの伝統産地が評判を独占していた寡占時代から、群雄割拠の戦国時代に突入したようだ。

「大ショックです」。9月1日、久しぶりに再会した山梨県庁の職員は落胆の色を隠さなかった。

再会したのは甲府市内のホテル。そのホテルでは、「日本ワインコンクール」(7月に市内で開催)の入賞ワインを試飲できる公開イベントが開かれていた。1階の大広間は、全国から集まった大勢のワイン愛好家やワイナリー関係者の熱気であふれ、にぎやかな雰囲気に包まれていた。

大勢のワイン愛好家らでにぎわう日本ワインコンクールの公開テイスティング・イベント

日本ワインコンクールは、国内最大級のワインコンクールで、2003年から毎年開かれている。ソムリエや醸造学の専門家ら25人の審査員が、全国のワイナリーから出品されたワインを、欧州系品種、国内系品種など部門ごとにブラインド・テイスティング(ボトルのラベルを隠した試飲)で評価し、点数化。その平均点で、金賞や銀賞、銅賞などの受賞ワインを決める。各部門の金賞(金賞が該当なしの場合は銀賞)受賞ワインの中で最も高得点のワインは、「部門最高賞」も授与される。第17回となった今年は788銘柄が出品し、21銘柄が金賞、82銘柄が銀賞、210銘柄が銅賞を受賞した。

今年、ワイン関係者を驚かせた「事件」が起きた。「甲州部門」(2016年までは「甲州辛口タイプ」)の部門最高賞に、山梨県以外のワインが初めて選ばれたのだ。日本固有のブドウ品種である甲州は日本ワインの代名詞であると同時に、山梨県産ワインの代名詞でもある。実際、ワイン向けに生産される甲州の95%は山梨県産だ。それだけに、山梨県関係者の受けた衝撃は大きかったようだ。

「国内改良等品種赤 部門」の部門最高賞に輝いたのも、山梨県以外のワインだった。国内改良等品種は主に欧州系品種を日本の土着品種と掛け合わせるなどして開発した日本独自の品種で、代表が赤ワイン用の「マスカット・ベーリーA」。山梨県はマスカット・ベーリーAの全生産量の約6割を占める。同部門で山梨県以外のワインが部門最高賞をとったことは過去に何度もあるが、今年は甲州とダブルで部門最高賞を逃しただけに、知り合いの山梨県庁職員も、「ダブルショックです」と嘆いた。

グルメクラブ 新着記事

ALL CHANNEL